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「 その、さ。俺、ホテルジャックの時、テレビとか見てて。黒の騎士団ってちょっとかっこいいかもって… 」
申し訳なさそう話すリヴァルの言葉を、ルルーシュは終始 俯いたまま聞いていた。
「 ナリタのこともなんかすっげーって掲示板で適当なこと書き込みしたり…。だから、ごめん！ 」
「 そんなの全然 関係ないって。私だってナリタのことには 」
辛いなら辛いと言えばいいのに、どうして無理に笑おうとするのだろう。
必死にいつも通りに振る舞おうとしているシャーリーを見ていられず、ずっと黙っていたミレイが華奢な肩に触れる。
「 それより私はあんたの方が気がかり。ちゃんと泣いた？ 今 変に耐えると、後でもっと辛くなるよ 」
「 もういいの。もう十分……泣いたから 」
友達のこんな辛い顔、もう二度と見たくない。
その為にも一刻も早くゼロを捕まえ、優しい世界を作り上げなければいけない。
Aの瞳は、決意の炎が宿っていた。
「 卑怯だ！ 」
隣から聞こえて来た声にハッと顔を上げると、怒りに震えるスザクが険しい表情を浮かべていた。
「 ゼロのやり方は卑怯だ。自分で仕掛けるのではなく、ただ人の尻馬に乗って事態を掻き回しては、審判者を気取って勝ち誇る 」
息を飲んで瞳を揺らしたのはカレンだ。
ゼロについていくと決めたからには、この程度で動揺してたまるか。
今まで何人も殺してきたのに、友達の父親が死んだくらいで止まっていられない。
「 あれじゃ何も変えられない。間違ったやり方で得た結果なんて、意味は無いのに 」
シャーリーは目を見開いた。
ルルーシュに父が亡くなったと打ち明けたあの日、二人は雨の中でキスを交わした。
しかしあの様な状況ではルルーシュはああするしかなく、父の死を理由に縋るような真似をした自分が急に恥ずかしくなる。
「 じゃあ私たちはそろそろお暇しよ！ 」
なんとも言えない空気の中、ミレイが声を上げる。
「 シャーリー、待ってるからね。いつもの生徒会室で 」
それに答えるように笑うシャーリーを見て、ミレイは「 ほーら、みんな行くよ！ 」と帰るよう促した。
しかしその場から動こうとしないルルーシュを見てリヴァルは声をかけるが、空気を読めという風にミレイに連行されていく。
Aは心配そうにシャーリーを見つめたが、やがて背を向けた。
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作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
