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古い友人であるルルーシュは、スザクの過去の過ちを認め、非難することはなかった。
しかしAの体は震えが止まらず、未だに一言も話すことが出来ずにいた。
「 僕は…っ。A… 」
「 や、やめて！ 」
ゆっくりと近づいて手を伸ばしたが、スザクの手はパシンと音を立てて払いのけられた。
頭の中が真っ白になり、思考停止するスザクを置いてAは立ち上がり、そのまま礼拝堂の外へと飛び出していってしまった。
その時 見えた外には既にC.C.とマオの姿はない。
ミレイには叱られるだろうが、誤ってステンドグラスを割ったと報告をしておこう。
「 スザク。後のことは俺がやっておく。今日はもう帰って休め。……あいつとも、ゆっくり話した方がいいだろ 」
「 …ごめ、ん、ルルーシュ。僕は、今日は 」
「 あぁ、構わないさ 」
ルルーシュの手を取って立ち上がったスザクは、フラフラと礼拝堂の外へと出ていった。
一人 残されたルルーシュは大きく息を吐き、ステンドグラスの件をミレイにメールして、愛する妹の元へ走り出した。
✱✱✱
Aは午後の授業のことも考えずに、アッシュフォード学園大学部へと駆け込んだ。
この時間はまだ大学に通う学生がいるため、中庭に駐車してある特派ヘッドトレーラーへ向かおうとしたが、どこにも見当たらない。
「 センパイ？ 学校は…って、何 泣いてんの 」
するとそこへ、仕事のために午前の授業を休んでいたレオが丁度 応接間に続く扉から出てきた。
今から学校へ行くつもりだったのだろう、制服を身につけている。
「 レオくんっ…！ う゛、なんで…！ 」
Aはレオの胸の中に飛び込み、嗚咽を殺して泣き出す。
レオも最初は突然のことに動揺したが、小さくため息をついて午後の授業も欠席だなと頭を搔いた。
「 とりあえず、中に。あんたの顔、今すごい不細工だから 」
優しい手つきで頭を撫でて、肩を抱いて特派が借りている応接間へと進む。
ロイドとセシルは見合いのためにヘッドトレーラーでG-1へと向かったため、不在だ。
「 泣き止むまではここにいてやる。……話すのは、それからでもいいんじゃないか 」
Aはソファの上で何度も頷き、子供のように泣きじゃくった。
自分は、これからもスザクと共に戦えるのだろうか。
── それはきっと、自分次第。
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続く。
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作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
