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切るべきコードも突入のタイミングも自分が教えたと言うが記憶がない。
しかしすぐに一つの可能性を思いつき、ルルーシュはずっと気になっていた、ポケットに入っている自分のものでは無い手鏡を覗き込んだ。
「 ( やはり、そうか… ) 」
自分で自分にギアスをかけるなど、よく考えたものだ。
「 ルルーシュ、まさかお前は！ 」
Aはゆっくりと立ち上がるマオに銃を向けたまま、常に気を抜かずに警戒をしている。
「 バカな…。こいつらが失敗したらどうするつもりだったんだ！ 」
一見マオが一人で話しているように見えるが、彼の心魂読解のギアスを利用し、ルルーシュは心中から語りかけていた。
Aがマオに銃を向けている間に、スザクはAから借りた携帯で咲世子に連絡を入れる。
これでナナリーの拘束は解かれたはずだ。
「 くそ…っ、これで勝ったつもりか！！ 」
「 よせ！！ 」
銃を向けられているというのに動こうとするマオの両腕を、スザクが力強く掴む。
「 離せよこの父親殺しが！！ 」
「 はっ… 」
誰も知るはずのない過去の出来事に、スザクはマオの手を掴んだままピシャリと硬直してしまう。
それは後ろにいるAとルルーシュも同様。
「 お前は七年前に実の父親を殺している。徹底抗戦を唱えていた父親を止めれば戦争は終わる？ 子供の発想だね 」
カランカラン、とAの手から銃が音を立てて地に落ちた。
「 実際はただの人殺し 」
「 違うっ！！ 僕は…！ 俺は！ 」
「 良かったねバレなくて。周りの大人たちがみ〜んなで嘘をついたおかげさ 」
数歩 後ずさり、「 嘘だ 」と震えるAの肩を、ルルーシュがそっと支えた。
「 …枢木首相が自決する事で軍部をいさめたって 」
「 大嘘だよ、何もかも 」
「 嘘……？ 」
ルルーシュの言葉に、スザクは必死に叫ぶ。
「 仕方がなかった！ そうしなければ日本は…！ 」
「 今更 後付けの理屈かい？ この死にたがりが！ 」
ずっと自分でも薄々 感じていたことを他人に言われると、心臓を握りつぶされているような感覚に襲われた。
スザクの顔色はどんどん悪くなっていく。
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作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
