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「 ここで、いいんだよね 」
「 あぁ。ルルーシュからの合図を待とう 」
礼拝堂の外、ステンドガラスの前でAとスザクの二人はルルーシュからの合図を待っていた。
あの後、すぐにナナリーの拘束を解こうとしたが、彼女は何よりも先にルルーシュの元へと向かってくれと懇願した。
ナナリーを一人 地下水道に置いていくことはしたくなかったが、そこへ事情を聞いた咲世子が駆けつけてきたため、その場は彼女に任せることになった。
だが、爆弾以外にも何が仕掛けられている可能性も捨てきれないため、犯人を捕らえ、こちらからの連絡を待ってから拘束を解いてもらう。
「 A。突入したらまず、僕が先行する。相手が武器を持っていないとも限らないから 」
「 スザク、私も軍人だよ 」
「 あ……ごめん。僕が相手の懐に入り込むから、何かあったら頼むよ。銃は持っているよね 」
頷きながら、Aは制服のスカートの上から太もものホルダーの銃にそっと触れた。
それから五分程が経ったころ、時は来た。
「 やめろぉぉぉおおおおおおっ！！！ 」
指示通り、声が枯れるほどに叫ぶルルーシュ。
すかさずスザクはステンドグラスを突き破り、Aもすぐにその後に続いた。
「 A！ 」
「 スザク！ 」
犯人── マオは想定通り銃を手にしており、突っ込んできたスザクへと銃口を向けた。
しかし発射された銃弾は一発だけであり、至近距離にも関わらずスザクは華麗な身のこなしで避ける。
さらに銃を構えたAは、スザクの背中越しに的確にマオの銃を弾き飛ばした。
「 どわぁっ！！ 」
隙を見逃さずにすぐさまスザクの拳がマオの頬に入る。
銃を構えたままAはスザクの隣に並び、冷ややかな視線でマオを見下ろした。
「 自分はブリタニア軍 准尉 枢木スザクだ 」
「 ブリタニア軍曹長 七瀬A。治安擾乱の容疑で貴方を拘束します 」
こんなことはありえない。
尻もちをついたまま、マオはわなわなと唇を震わせる。
「 爆弾を解体したのか…？ そんな、まさか！ 」
「 どのラインを切ればいいかはルルーシュが教えてくれたからね 」
しかし己のギアスによって記憶のないルルーシュは「 俺が教えた？ 」と驚いた顔をしている。
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作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
