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ナナリーの頭上で揺れている爆弾は、一定の振り子 運動を止めると爆発する振り子 爆弾だ。
ソレノイドが電力を供給しているため、振り子が動きを止めることは無いが、それ以外の力が加われば爆弾は爆発する。
解除するためには解除コードを切る。
爆弾処理の中でもごく一般的なものではあるが、振り子の運動を止めずにコードを切断するなど人間業ではない。
「 僕がやろう 」
「 私がやる 」
しかし、構造を理解した上でAとスザクが同時に名乗り出た。
「 なっ…簡単に言うな！ 情報が少なすぎる 」
「 慎重なのもいいけど、タイムリミットがあるんだろう。それに、情報なら君の目の前にある 」
それでも悩んでいるルルーシュに、Aが一歩 前に出た。
「 私たちはこれでも軍人だよ。ルルーシュなら、この情報を有利に使えるでしょう 」
この言葉にルルーシュの頭に一つの策が思い浮かぶ。
いくら爆弾の規模が大きいとはいえ、それを用意したのは本職ではないマオ。
ダミーのコードを見破ることは容易だ。
正直Aのことは鈍臭い女だと思っているが、信用の出来るスザクならば、きっとこれを成し遂げてくれだろう。
「 …赤だ。赤のコードを、切ってくれないか 」
「 分かったよ、赤だね 」
「 俺は今から礼拝堂にいる犯人のところに行ってくる。スザクたちは爆弾を解除したらこっちに来てくれ 」
だが、とルルーシュは二人を振り向いて言う。
「 俺が合図をしたらだ。とにかく喉が枯れるほど叫ぶから、それを合図に突入してくれないか 」
「 …分かったよ。君のことだから考えがあるんだろう 」
「 あぁ。頼む 」
ルルーシュは二人に背を向け、マオの待つ礼拝堂に向かうためにエレベーターに乗り込んだ。
そして携帯を操作して咲世子に電話をかける。
ナナリーが地下に囚われていること、スザクとAがその場にいること、爆弾のことを伝えると、すぐに向かうと返事があった。
「 よし、役者は揃った 」
通話を終えたルルーシュはAから掠めとった手鏡をポケットから取りだし、それを覗き込む。
そして── ギアスを発動させた。
「 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる。スザクらに命じたことを、全て忘れろ！ 」
さあ、マオ。
もう終わりにしようか。
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作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
