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Aがカレンの背中から下りると同時に、生徒会室の扉が生体反応を感知して開く。
皆の視線が集中したそこには、肩で息をしながら何かを探すようにキョロキョロと辺りを見渡すルルーシュの姿。
携帯にマイクを取り付けて耳元に装着しているが、誰かと通話でもしているのだろうか。
「 よぉ、ルルーシュ！ シャーリーに何やったんだよ？ 」
「 え？ いや… 」
「 プレゼントでも贈れば？ 」
リヴァルのからかいに大した反応も見せず、ただ何かを探すように部屋を見渡している。
何かがおかしいと思ったAはしばらく様子を見ることにした。
「 それより授業。午後は出ないと… 」
ここでスザクも友人の様子がおかしいことに気がつき思わず言葉を詰まらせたが、そこへ丁度よく被せるようにルルーシュが口を開く。
「 あ…悪い。あぁ、夜の件、また後で話そう 」
それだけ残してすぐに部屋を出ていってしまった。
「 ま〜だギャンブルをやっているのかしらねぇ 」
足元に擦り寄るアーサーを抱きかかえたカレンはそう言うが、Aの目には先程のルルーシュは焦っているように見えた。
ふと、バチリとAとスザクの視線が絡み合う。
スザクが無言でこくりと頷き立ち上がったことから、どうやら二人は同じことを考えていたらしい。
「 カレン、アーサーの事よろしくね 」
「 え、どこに行くんですか？ 」
「 ちょっとスザクと仕事の話してくるだけだよ 」
Aが部屋を出ると、すぐそこの廊下でスザクが壁に背を預けて待っていた。
特にこれといった会話をした訳でもないのに、お互いの考えを分かっているかのように話が切り出される。
「 ルルーシュはどこへ行ったと思う？ 」
「 息が上がってたし、階段を駆け上がってきたんじゃないかな。上に行ってみようよ 」
Aの言葉通り、ルルーシュはそこに居た。
すぐ近くの階段を上った先の踊り場で、険しい表情で手に持った何かを見つめている。
「 ルルーシュ！ 」
「 ！ 」
スザクが声をかけると、驚いたルルーシュは手に持っていたそれを落としてしまう。
慌てて拾おうとするも、手足を拘束され、口元にガムテープが貼られた車椅子に乗るナナリーの写真ははらりと床に落ちた。
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作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
