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ぼふりとソファにその身を預け、大きく息を吐く。
どうしてあんな女に振り回されなければいけないのか、あの時のことを思い出すだけでモヤモヤする。
「 女はどうした 」
「 部屋に案内してきた。もう寝てるんじゃないか 」
「 なんだ、殺さなかったのか？ 」
上体を起こしたC.C.の問いかけに、使われることのなかった銃をテーブルの上に置く。
殺さなかったんじゃない、殺せなかったんだ。
それくらいは素直に認めよう。
「 俺にはあいつに力があるように見えない。放っておいて問題ないだろう 」
「 ほう、情けのつもりか？ 」
「 そう判断したまでだ 」
コード所持者であるC.C.が言うのだから、あの女がギアスユーザーであることは間違いない。
しかし戦闘能力も何もないAにギアスが発現するとは思えないし、したところで大した力ではないだろう。
そもそも軍の作戦に参加することのない技術部は黒の騎士団の活動に影響を及ぼすことはないはずだ。
「 ……ちなみに聞くが、あの女はナリタでの作戦に参加していたのか？ 」
「 は？ そんな訳ないだろう。あいつは技術部で、何より日本人だ 」
「 そうか 」
スザクが搭乗する白兜─ もといランスロットに触れて幻覚を見せていた時、力を使っていたせいで確証はないが、Aの気配を感じた気がした。
C.C.は少し考えた素振りを見せた後、自分の勘違いだという結論に至り、再びベッドにその身を預けた。
「 ルルーシュ、何度も言うがお前に死なれては困る。仲良しごっこがしたいなら 」
「 分かっている。必要と感じればAは殺す。この…俺が 」
ルルーシュ、と自分の名前を嬉しそうに呼ぶAの顔を思い浮かべ、唇を噛み締める。
その時が来たら、銃口の向く先が友であろうとこの引き金を引くことを躊躇いはしない。
「 ギアスは強大な力だ。お前が決めたのなら止める気はないが、Aにだけは気をつけろ 」
「 あぁ 」
「 だが、一体 誰があの女にギアスを…？ まさか… 」
そもそもギアスというものは、C.C.のようなコード保持者から譲渡される以外に手に入れる方法はない。
思い当たる人物はいるにはいるが、果たして奴がただの女にそんなことをするだろうか。
「 面倒なことにならなければいいが 」
ぼそりと呟き、C.C.は布団の中に潜り込んだ。
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作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
