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「 ふ、はは。そんな顔で見るなよ。分かっているさ、もちろん、Aも一緒にな 」
「 よ、よ、よかったあああ…。私、目の前で仲間外れにされたのかと思ったんだから… 」
悪ふざけに付き合ったのはスザクも同じなのだが、安心しきったAはそれには気づかずに嬉しそうに笑っている。
「 それじゃ、今日の… 」
ルルーシュの言葉は最後まで紡がれることはなかった。
微かに聞こえてくるエンジン音に辺りを見渡すと、校内を猛スピードで走る一台のバイクがこちらに向かってきているではないか。
スザクは咄嗟にAの手首を掴んで己の背中に隠したが、肝心の自分の守りは学生鞄を盾にしただけ。
幸いバイクは目の前で急停止し、かと思えばドライバーは突如 悲痛な叫びを上げた。
「 うぉおおいルルーシュ！！ 会長、見合いするって知ってたか！？ 」
「 あぁ、今日だろ？ 」
「 きょおおお゛！？ 知ってて何で教えなかった！！ 」
ルルーシュはギャーギャーと喚くリヴァルに胸倉を掴まれたが、その反応を分かっていたかのように冷静に返す。
Aはスザクの制服の袖を引っ張り、知っていたかと問うように翡翠色を見上げるも、ブンブンと首が振られる。
「 教えたら泣くだろ？ 」
「 …笑ってみせる 」
とても笑えそうには見えないが、助け舟を出すようにスザクが口を開く。
「 大丈夫、僕たちも知らなかったから 」
「 こんな時に天然で返すな！ 」
「 天然？ 」
何もリヴァルは見合いを知らなかったことではなく、他の誰でもないミレイが見合いをすることにショックを受けている。
さすがのAもこのリヴァルの慌てようを見ればそれくらいは理解は出来たが、まさかスザクがここまで鈍感だとは。
「 そういうところが天然だっていいんだよ。じゃあ食事の件、ナナリーに言っても？ 」
「 うん 」
返事を聞くやいなや、走り出したルルーシュ。
「 授業は！？ 」とスザクが大声を上げたが、彼は足を止めることなく顔だけこちらに向けた。
「 分かってる！ 教えてくるだけだって！ 」
リヴァルはその場にしゃがみこみ、頭を抱えた。
「 俺の悩みは置き去りですか… 」
「 えっと、リヴァル。元気 出して…？ 」
「 A！ 俺を慰めてくれよおおお！ 」
「 ごめん、それは無理かな 」
ガックリ、リヴァルはついに膝から崩れ落ちた。
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作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
