▼ 囚われ の ナナリー ページ39
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「 スザクおはよう〜 」
「 おはよう、A。寝癖ついてるよ 」
「 ん〜 」
初めて会ったときは恥ずかしがっていたというのに、今となっては欠伸も寝癖もお構い無しだ。
応接間に入ってきたAは制服こそしっかりと着ているものの、まだ夢の中にいるような顔をしている。
「 ふぁあ…。レオくんは？ 」
「 午後から出るらしいよ。さ、行こう 」
Aとスザクは目と鼻の先のアッシュフォード学園高等部へと向かう。
同じように登校中の生徒がたくさんいるが、彼らはAらに気づきはしたものの、すぐに興味を失ってまたそれぞれの会話に戻っていった。
「 あ、スザク！ あれって 」
「 ん？ 」
思わず声を上げたAの視線の先を追うと、珍しく朝から登校している問題児の姿。
Aよりも先にスザクが駆け出す。
「 おーい！ ルルーシュ！ 」
Aは数日前にルルーシュと顔を合わせているが、スザクにとっては久しぶりの友達との再会だ。
嬉しそうに「 おはよう 」と声をかけている。
「 ちゃんと来ないと留年するよ？ 」
「 そっちこそ、似たようなものだろ 」
そこで二人に追いついたAがスザクの背中からひょこりと顔を覗かせた。
「 私たちはサボり魔のルルーシュと違って仕事だよ？ 黒の騎士団の動きが活発になってるからね 」
「 A 」
「 やっほ。おはようルルーシュ！ 」
悪戯げに笑うAを見つめ、ルルーシュは表情に出さないように自然に問いかける。
「 お前たち、技術部なんだろ？ 」
「 あぁ…。手が足りないんだよ、どこも 」
この質問はカレンにもルルーシュにも何度もされてきたが、その度に嘘をつくのはやはり慣れないものだ。
スザクが歯切れ悪く答えると、ルルーシュは「 ふ〜ん 」と納得しているのかどうか分からない曖昧な返事をした。
「 でもたまにはうちで食事でもどうだい？ ナナリーが寂しがってる。今日の予定は？ 」
「 あぁ、今晩なら！ でもいいのかい？ 迷惑かけちゃ… 」
「 迷惑じゃないさ 」
そこでAがチラチラとわざとらしくルルーシュを見上げ、何やら言いたそうにしている。
それを分かっていながらルルーシュは話を進め、しかし途中で堪えきれずにとうとう吹き出してしまった。
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作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
