▼ 喝采 の マオ ページ29
────
──
.
「 ふぁ〜…… 」
「 欠伸、大きすぎるだろ 」
「 うわあ！？ 最悪、見てたの！？ 」
朝食を終え、制服に着替えたAが階段を下りると、玄関先にはルルーシュとミレイの姿があった。
何やら大切な話をしていた様子だったが、どうやらもう終わったあとらしい。
「 ミレイ、おはよ！ 」
「 おはよう、A。昨日はありがとね！ ルルーシュの代わりにナナリーの傍にいてくれて 」
「 お礼を言われるようなことはしてないよ。私も久しぶりにナナリーと話せて楽しかったし！ 」
二人の様子を眺めながらルルーシュは思案する。
マオが自分の思考を読んだとすれば、まずは一番の急所であるナナリーに狙いを定めてくるはず。
ミレイに取り計らって数日はクラブハウスの出入りを禁止させてもらい、監視カメラも八台ほど設置したが、念には念をだ。
利用できるものは利用してしまえばいい。
保険としてAをナナリーの傍に…。
いや、万が一マオと接触してしまった場合、ギアスについて知られる可能性が高い。
「 やはりこの件は俺 一人で…… 」
小さなルルーシュの声を拾ったAは視線だけをそちらに向ける。
何やら考え込んでいる様子だが、やはり悩み事でもあるのだろうか。
「 会長〜！ A〜！！ 」
しかしAが問いかけるよりも早く、明るい笑顔のシャーリーが元気よくこちらに駆けてきた。
ナリタの件以来、生徒会の活動も休みがちだった彼女が、こうして朝から登校してくることは初めてだった。
「 シャーリー！ 朝練 復活すんの？ 」
「 はい！ 今日からまた。落ち込んでてもしょうがないし 」
「 あはっ。私も見習おっかなぁ？ あんたの行動力 」
Aも会話の輪の中に入ろうとしたが、悲しそうに目を伏せるルルーシュに気が付き、喉元まで出かけていた言葉を飲み込む。
昨日から様子が変だったのは、もしかしたらシャーリーが関係しているのかもしれない。
「 あれ？ あなた、この間の。うちの学校だったんだ！ 」
まるでルルーシュを他人かのように扱うその言動に、疑惑は確信へと変わった。
やはりシャーリー関連で何かあったようだ。
.
──
────
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
