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「 ……ねぇスザク 」
「 ん？ 」
生徒会の皆に声をかけ、一足先にAとスザクが帰路についていると、控えめに声がかけられる。
Aは名残惜しそうにアッシュフォード学園を振り返り、ずっと考えていたことを口にした。
「 あの…。私、今日クラブハウスに泊まっちゃダメかな？ 」
「 構わないけど、どうしたんだい？ 」
「 ルルーシュは遅くなるんだろうし、咲世子さんがいるとはいえナナリーを一人にしたくないの 」
今日は大きな軍の仕事もないし、ダメだというつもりもなかった。
スザクが「 もちろんだよ 」と笑うと、Aも嬉しそうに笑う。
「 やった！ この間も泊まったから、ルルーシュには何も言わなくていっか 」
「 ……この間も泊まったってどういう意味？ 」
先程までの優しい表情は一変、突然 険しい表情になり、少し機嫌が悪そうに問いかけた。
スザクの豹変ぶりにAは驚き、自分は何かまずいことを言っただろうかと冷や汗を流す。
しかし思い返してみても特におかしなことは言っていないし、こんなに怖い顔する理由も分からない。
「 ねぇ。この間も泊まったってどういう意味？ 」
何も答えないAに痺れを切らしたスザクがもう一度 同じことを問いかけると、ビクリと細い肩が跳ねる。
「 こ、この間のナリタの帰り！ 生徒会室に用があるって言ったでしょ？ その時にルルーシュに会って。雨もひどかったしそのまま泊まってきたの。セシルさんに外泊の連絡はしたけど、なにかダメだったかな……？ 」
緊張からやたら饒舌に、早口で話すA。
スザクは「 ふぅん 」と面白くなさそうにAを見下ろし、そして胸の奥に広がるモヤモヤをそのまま口に出す。
「 気に入らないな 」
「 え？ 」
ブツブツと何やら呟いているが上手く聞き取れず、Aは様子を伺うようにスザクの名前を呼ぶ。
次にこちらに向けられた瞳からは先程のような怒りは消えていた。
「 どうしてこんなに気に入らないんだろう。分かるかい？ 」
「 わ、私に言われても分からないよ！ 」
「 そう。……そう、だよね。……セシルさんには僕から伝えておくから、君はそのままナナリーに会いにいっておいで 」
元の優しいスザクに戻ったため、Aは安堵の息を漏らして胸を撫で下ろした。
今度から外泊するときはスザクにも連絡しろってことかな？
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作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
