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「 どうなんですか？ スザクさん 」
「 いや、でも…。向こうは雲の上の人で 」
その時、テーブルに置かれた電話がジリリリリリと音を立てて、正面にいたスザクが受話器を手に取った。
同時にアーサーが机の下から顔を覗かせる。
「 はい。アッシュフォード学園生徒会です。え？ …ルルーシュ？ 」
スザクの口から出た名前に、ずっと不貞腐れていたAが勢いよく顔を上げた。
「 あるよ。…君がいない。シャーリーもまだ顔が出せないみたいだけど 」
彼女にとってナリタでの件はそう簡単に乗り越えられることではなく、今日も生徒会には顔を出していなかった。
Aも一度 着信を入れてみたが、応答はなかったため諦めている。
「 最近 授業も休みがちだし、もうちょっとちゃんと学生やりなよ 」
垂れる電話線にじゃれているアーサーを見つめながら、Aは持ち上げた腰を再びソファにぼふりと沈めた。
スザクの表情を見るに、やはりルルーシュが来ることはなさそうだ。
「今日はじゃなくて、今日もだろ？ こんなに会えないんじゃ、何のために同じ学校なんだか…… 」
ナナリーをちらりとみて悲しそうに話すスザクから、きっと今日も帰りが遅くなると言われたのだろう。
するとじゃれていたアーサーがついにスザクに飛びかかり、にゃーにゃーと鳴いて受話器に爪を立てる。
「 ちょ、こら、アーサー！ う、うわあ！？ 」
アーサーによって受話器が引っ張られ、テーブルから電話が落ちてしまったため通話は切れてしまう。
リヴァルによってアーサーは引き剥がされたが、猫好きなのにどうしてここまで嫌われるのやら。
「 お兄様、今日も遅くなるんですね…… 」
「 だいじょーぶ。今日は夜まで私たちと一緒にいよ？ 」
ミレイがナナリーの肩に触れるも、彼女にとっては兄が何より一番の存在であり、会えない期間が続くのは辛いものであった。
Aは小さくため息をついてから立ち上がった。
「 ほんっと毎日 何してるんだろうね〜。折角カレンには会えたっていうのにさあ 」
少し離れた会議用の長いテーブルで一人 本を読んでいるカレンの隣に座り、「 ねぇカレンってばあ〜 」と頬杖をついた。
「 ……Aさん、軍の仕事って大変ですか？ 」
「 え？ 」
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作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
