▼ ギアス 対 ギアス ページ20
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『 指令より401。敵を撃破しつつ9時方向に移動。以後、チャリング卿の指揮下に入れ 』
先程コンテナに叩きつけられた際に軽く脳震盪を起こしてしまったらしく、インカムから入る通信に耳を傾ける余裕はなかった。
輻射波動でMVSを破壊されたランスロットは、コンテナ上で紅蓮弍式と戦闘を繰り広げている。
『 七瀬曹長、平気か 』
「 っ、ちょっと頭を打っただけ、まだ、いける！ 」
やがて動き出したベディヴィエールは、フォートレスモードに移行してコンテナの上へと躍り出た。
しかし紅蓮弍式は後退して黒煙の中に消えていく。
「 待て！！ 」
『 深追いするな！ 今は総督の守りが最優先だ 』
スザクが声を上げるも、聞こえてきたダールトン声に小さく舌打ちをこぼす。
ベディヴィエールは指示に従って動きを止め、消えていった紅蓮弍式のことを考えながら黒煙の先を見つめている。
『 枢木准尉、七瀬曹長。黒の騎士団が撤退したわ。作戦は……失敗よ。G-1へ帰還してちょうだい 』
最悪の事態になってしまった。
片瀬を捕獲することも出来ず、貴重な流体サクラダイトは軍の兵士たちとともに海へと沈んだ。
爆発の原因ははっきりとは分かっていないが、Aは黒の騎士団の手によるものだと確信している。
奴らは非道な連中だ── ナリタで身をもって実感した。
「 ギルフォード様、ダールトン様。申し訳ありません、私の力が至らない限りに 」
Aは桟橋付近で敵の殲滅に尽力していたギルフォードらのグロースターに近づき、プライベート回線を繋げて話しかけた。
自分に力があれば、紅蓮弍式を破壊し、すぐにランスロットと共にゼロの捕獲に努めることができただろう。
『 顔を上げなさい。君たちがいたから私たちはここで残党を殲滅できたのだ 』
『 素晴らしい働きであった。姫様を守ってくれたこと、感謝している 』
二人の言葉にAは「 はい 」と返事をし、ランスロットの後を追ってG-1へと帰還した。
ナイトメア格納庫に着き、ワイヤーに足をかけて地上に下りると、すぐにセシルとレオが駆けつけてきた。
「 Aちゃん！！ 怪我はない！？ 」
「 はい、セシルさん 」
ロイドは帰還したランスロットとベディヴィエールを真っ先に心配しており、Aは相変わらずだなと呆れる。
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作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
