【コードギアス】地上に舞う羽 Ⅲ (ページ16)

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一人、また一人と銃撃を受けた兵士が海に落ちていく中、オープンチャンネルでノイズ混じりに何かが聞こえてくる。

『降伏…。早急に攻撃停止していただきたい。こちらは日本解放戦線。貴軍に降伏する！』

この声にAは銃を発射するために握っていた操縦桿から手を離してしまう。

しかし鳴り止まない銃声に驚いていると、同じく疑問に思ったスザクが声を上げた。

『少佐！オープンチャンネルで降伏宣言が！』

ここにいる誰もに日本解放戦線からの通信は聞こえていたはずだというのに、何の反応も見せないのが不思議でならない。

Aは手を止めたまま少佐からの返事を待っていたが、それは『無視しろ』という非道なものであった。

『見ろ、ただの時間稼ぎだ。手を休めず命令を遂行せよ』

タンカーは前進を続けたが、Aはどうしても引き金を引くことが出来なかった。

自分がやりたかったことは、作りたかった世界は、彼らの命を踏み台にしてまで成さねばならぬものなのか。

結局Aは一発も撃つことができないまま、海兵部隊のポートマンが全機、スラッシュハーケンを射出してタンカーの甲板へと降り立った。

すると次の瞬間── 日本解放戦線のタンカーが眩い閃光と共に大規模な爆発を起こし、海兵部隊を一掃した！！

「なんという愚かなことを！流体サクラダイトを爆発させるとは！」

コーネリアは爆風に外套をはためかせながら、沈みゆくタンカーを見据えていた。

「嘘、どうして！？」

ベディヴィエールは地上にスラッシュハーケンを射出して、爆風に吹き飛ばされないように姿勢を低くしていた。

まさか、この状況下に日本解放戦線は流体サクラダイトを爆発させ、海兵部隊と共に海へ沈むことを選んだ？

Aはブンブンと首を横に振る。

もしもこれが第三者の手によるもので、ブリタニア軍の兵力を減らすために日本解放戦線を囮にしたのだとしたら？

似たようなケースをナリタで経験している。
そう、この様な卑劣な行いをするものは……！！

『全機状況を報告せよ。繰り返す。全機状況を報告せよ』

爆風が収まり、ベディヴィエールはコーネリアらのいる本隊にファクトスフィアを展開させた。

すると、予想していた通りそちらで爆発が一つ起こる！

このままではコーネリアが危ない。
やはりこれは── 黒の騎士団による奇襲だ！！

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