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「 そんなに頑なにならぬとも、素直に受け取ったらどうだ。私も姫様から君の活躍を聞いたが、称賛に値するものだ 」
その言葉にAはこれ以上 伸びないのではないという程に背筋を伸ばし、恥ずかしそうにコーネリアを見上げた。
「 も、勿体なきお言葉…… 」
コーネリアは微笑み、軽くAの肩を叩いてからその場を後にした。
ギルフォードも後をついていくが、ダールトンはその場に留まり、何も言わずにAを見下ろしている。
何もされていないというのに恐怖で足が竦むのは、顔に大きな傷を持つ厳つい外見からだろう。
「 明日の作戦に参加するようだな 」
「 ひゃい 」
……声が裏返った。
穴があったら今すぐに入りたい気持ちだったが、自分は軍人だと何度も言い聞かせ、何とかその場に足を縫いつけた。
「 ギルも言っていたが、姫様からお前たちの活躍は聞いている。明日の作戦、活躍を期待しているぞ 」
「 はい。自分に出来ることを精一杯やらせていただきます 」
ギュッと口を結んで敬礼する少女の頭を、ダールトンは少し雑に撫でてからコーネリアの後を追った。
一人 立ち尽くすAは触れられた頭に手を伸ばし、去っていく大きな背中を見つめる。
「 なんだか、あったかい人… 」
実の父が生きていたらダールトンくらいの年齢だろう。
小さくなっていく背中に父らの面影を重ね、Aは本来の目的のために踵を返した。
「 センパイ 」
「 あれ、レオくん？ 」
すると買い物帰りなのか、マイバッグを持つレオと入口で鉢合わせた。
「 レオくんってマイバッグ使うんだ… 」
「 悪いかよ。てかあんた、どっか行くの？ 」
「 あ、いや。スザクを探してて 」
もしかしたらすれ違っているかもしれない、とレオに聞いてみると、彼は「 あぁ、スザクさんなら 」と両手を上げてやれやれと言った表情を見せた。
なんだか嫌な予感がする。
「 俺がここを出る前にランニングに行ったよ 」
「 うわあ 」
がっくりと肩を落としてAはため息をついた。
どうやら、スザクと顔を合わせるのは夜になりそうだ。
「 折角の休みだってのにランニングだもんな。もうあんたも戻れば？ 美味そうなケーキ買ってきたから 」
「 うん！！ 」
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作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
