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「 けど日本解放戦線と黒の騎士団が協力関係にあったらどうなるのかな？ 逆に私たちが奇襲を受けるんじゃ 」
「 その線は薄い。ナリタでのあいつらが起こした土砂崩れは、結果的に日本解放戦線を逃がすことになったとはいえ、同時に絶大な被害を与えている 」
レオはテーブルの上のおにぎりに手を伸ばし、パクリとかぶりついた。
途端にみるみると青ざめていく顔。
「 確かに…。新型のナイトメアもいたし、黒の騎士団には大きな後ろ盾がいることは間違いない。同じ目的を持つ日本解放戦線を必要とするかどうか、難しいところだね 」
苦しそうな表情のまま硬直してしまったレオに気がつくことなく、スザクは顎に手を当てて話し始めた。
身の危険を感じたロイドは逃げ足だけは早く、いつの間にか姿が見えなくなっている。
「 海ということは主戦力は海兵部隊かな。だとすると僕たちは……。え、レオ？ どうしたんだい？ 」
「 うぐっ 」
聞いたことも無い声を上げてレオは口元を抑えてどこかへ走り出してしまった。
それは恐らく、御手洗かと思われる…。
「 どうしたんだろう？ 僕は何かおかしなことを言ったかな 」
「 いや、多分これだと思うよ…… 」
Aは控えめにテーブルに置かれたおにぎりを指し、そして早くここから離れようと視線で合図した。
その意味に気がついたスザクはこくりと頷き、ヘッドトレーラーの中へと移動しようとするが、そこへ悪魔の声が聞こえてくる。
「 あら？ スザク君、Aちゃん。どこへ行くの？ 」
大袈裟に肩が跳ねるのがわかった。
ギギギ、とブリキのおもちゃのように二人が振り返ると、放置されていたおにぎりの皿を手にこちらに歩み寄ってくる悪魔。
「 良かったら食べてちょうだい。今回は自信作なの！ 」
「 へ、へぇ。ちなみに中身は……？ 」
Aがそう聞くと、セシルは待ってましたとばかりに嬉しそうに話し始めた。
「 ほら！ 前回はブルーベリージャムを入れてみたでしょう？ けどそれだけじゃインパクトが足りないかなと思って、日本原産の素敵な食べ物を混ぜてみたの！ 」
Aとスザクはゴクリと唾を飲み込み、その先に紡がれるであろう食べ物の名前を待ち構える。
「 ワサビよ！ 」
MEブースト並の速さで二人は全力で駆け出したのだった。
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作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
