▼ 闇夜 の 羊 ページ1
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自室に備え付けられた浴室でシャワーを済ませたルルーシュは、ベッドに腰かけて濡れたままの頭を抱え込んだ。
自分たちの行いが招いた一つの結果に目を背けることは許されないというのに、動揺して上手く息が吸えずにいる。
「 悔いているのか？ 友人の父親を巻き込んだことを 」
ピザの匂いが充満する部屋で、C.C.は鋭い視線を共犯者であるルルーシュへと向けた。
シャーリーの父親を失った悲しみの涙が、いつの日かの自分たちに重なり、決めたはずの覚悟が揺らぎかける。
「 ゲームのつもりででもいたか？ 今までもお前は多くの人間を殺してきた。その手で、あるいはお前の言葉で。そいつらにも家族はいた。恋人も、友人も……。まさか理解してなかったとでも言うつもりか？ お前の覚悟はその程度の 」
「 黙れ！！！ 」
固めたはずの決意に何度も何度もナイフを突き立てるC.C.の言葉に、ルルーシュは大声を上げて立ち上がる。
「 覚悟はあるさ。クロヴィスを殺したあの時からな！ 」
爪が食い込むほどに拳を握りしめる。
C.C.はピザの最後の一口を放り込み、咀嚼しながら近くに感じる気配に眉をひそめた。
「 何故あの女を連れてきた。奴がギアスユーザーだということ、まさか忘れたわけではないだろう 」
「 あぁ、分かっている 」
「 慰めでも欲しかったのか？ せがまれるまでにキスまでしておいて、また別の女とはな 」
「 ……黙れ 」
薄々 彼女の好意には気づいていながらシャーリーにキスをしたあの時、それが卑怯な行いだと分かっているのに、自分は許されることを求めていた。
もう後戻りなど出来やしないというのに。
「 あの女……Aと言ったか。邪魔になるようなら殺したらどうだ？ あぁ、情が湧きやすいお前には無理な話か 」
「 俺を怒らせたいのか 」
ギロリと睨みつけると、C.C.はピザのゴミをそのままに、鼻を鳴らしてベッドの中へと潜り込んだ。
仕方なくゴミを捨てるためにキッチンへ向かうと、途中 リビングでコーヒーを飲むAの姿を見かける。
身につけている少し大きめのスウェットはルルーシュのものだ。
「 あ、ルルーシュ。お風呂と服、ありがとう 」
「 いや、こっちこそ無理矢理 連れてきてすまない。少し……動転していて 」
「 ……ねぇ、ルルーシュ。ちょっとお話しない？ 」
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作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
