【コードギアス】地上に舞う羽 (ページ10)

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▼ 覚醒の白き騎士ページ10

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「血も涙もない、テロリスト共め！！」

隻腕のナイトメアが銃一つでテロリストを駆逐していく。

先程から行動を読まれているかのように行く先々にナイトメアが現れる不可解な現象にAは疑問を覚えた。

それはまるで全ての戦況を把握している何者かが、場所や時間まで指示しているように思える。

「はあ、はあ……くそ！死にたくない、けど、何もせずに野垂れ死んでたまるか！！」

高速旋回、突っ込んできたザザーランドの脚部を破壊、そのまま左方のビルに潜んでいる狙撃兵を撃ち抜く。

やはりあの位置にナイトメアが配置されているのはおかしい。
ここにAが来ることを見越しての戦闘配置だ。

電子的なアラーム音にモニターを見ると、エナジーフィラーの残量が少ないことが警告されている。

もってあと十五分といったところだろうか。
……と、少しモニターから目を離したその時だった。

次になったけたたましい警告音は、敵の接近を告げるもの。

「くそ！背後からか！」

銃は……ダメだ、間に合わない。
ならば一度攻撃を避けてから、懐に入り込んでやる。

しかし再びの警告音。
またしてもビルに潜む狙撃兵に、Aは鋭い舌打ちをした。

「駒にしかなりえない脆弱者めが！！」

狙撃兵を撃ち落としはしたが、背後からの攻撃を避けることは出来ず、右腕までもが吹き飛ばされた。

もう戦う術がない。
このまま死んでしまうのか。

「お父さん…… 」

己の死を悟ったその時、ファクトスフィアに高速で移動する一機のナイトメアを発見した。

新手か、そう思いスラッシュハーケンを起動しようとボタンに手をかけたが、IFFはそれが味方であることを示している。

白と金を基調としたそのナイトメアは敵のサザーランドを一蹴して破壊すると、こちらに向かってプライベート回線を繋げてきた。

『こちらは枢木スザク一等兵です。怪我はありませんか？』

枢木スザク。
良かった、さっきのルルーシュの友達は生きていた。

『応答願います、怪我はありませんか？』

とてもかっこいいナイトメアに乗っているんですね。

なんてどうでもいいことを考えながら、Aは遠のいていく意識に身を委ねた。

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