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「 スザク、気をつけてね! 」

「 大丈夫、任せて! 」





あいつ、昔はもっと個人主義だったのに……!

Aの肩を押しのけて自分も屋根を登ろうと身を乗り出したところで、バランスを崩したルルーシュの口からひゅっと息が漏れる。





「 うわあ!? 」





ズルズルと屋根が身体を滑り落ちていき、下に集まったギャラリーからは悲鳴が上がる。





「 ルルーシュ!! 」




学園内では極力 関わらないようにする、と二人で決めた約束事も忘れ、Aとスザクは友の名前を叫んだ。

Aは限界まで小窓から身体を伸ばしてルルーシュの右手を掴んだが、女性の腕力では限界がある。





「 う、うぐぐ……! 」





そこへ身体を滑らせてきたスザクが窓枠に手をかけ、ルルーシュのもう片方の手を掴む。

どちらともなく二人は目を合わせ、「 せーのっ 」とAの掛け声でルルーシュを引き上げた。

その時カーンという鐘の音が鳴ると同時に、ルルーシュは二人の身体越しに猫が仮面を脱ぐ姿を確認して一気に脱力する。




「 安心…しすぎだよ 」

「 なんか、力抜けちゃって 」





✱✱✱





「 やっぱり、この前の猫だったか 」

「 え? スザク、その猫 知ってるの?」

「 ユフィと会った時に怪我してるところを見つけたんだ 」





大人しくスザクに抱えられている猫と一緒に時計塔から外に出る。

ルルーシュは何か忘れ物があるらしく、まだ降りてきていない。





「 あ… 」





外に出た二人を待っていたのは、集まっていたギャラリーの蔑むような視線。

Aはスザクの後ろに隠れそうになったが、グッと堪えて足をその場に縫いつけた。

誰も動き出そうとしない中で、一人の女子生徒が歩み寄る。





「 ありがとう、ルルを助けてくれて! 」

「 やぁるじゃん転校生! 」

「 この猫、何か持ってたでしょ? 」





それに続くように次々と話しかけてくる生徒たち。

男子生徒が言う“ 転校生 ”はスザクのことであり、他学年のAは一歩 後ろに下がった。





「 何か被ってたみたいですけど、よく見えませんでしたし…。いつの間にかなくなっちゃって 」

「 それだぁ! あいつの恥ずかしい秘密! 」

「 そういうことですか会長 」






ようやく時計塔から降りてきたルルーシュは、自然な動きでスザクの隣に立つ。





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りり(プロフ) - 静香さん» ありがとうございます。まだまだ続きますのでよろしくお願いします。 (2022年9月4日 2時) (レス) id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
静香(プロフ) - 更新楽しみに待ってます (2022年9月4日 1時) (レス) id: 96322907c4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りり | 作成日時:2022年8月26日 0時

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