【コードギアス】地上に舞う羽 (ページ47)

今日:7 hit、昨日:82 hit、合計:7,989 hit

9 ページ47

－－－－
－－

.

「猫っていっても、こんな広い学校内で探すのは無理があるよね？」

「ここはたくさん人がいるし、僕たちは向こう側へ行ってみようか」

生徒会メンバーからのスーパーなラッキーチャンスのキッスとやらに興味はないが、ちょっとしたイベント事には参加してみたい。

それにAは猫がとても大好きなのだ。

「スザク、あそこ！」

「あれは…… 」

指さした先には、渡り廊下の上を軽い身のこなしで走っていく猫。

黒い何かを被っているようにも見えたが、この距離ではそれが何か確認することはできなかった。

「あ、隣の校舎に行った！追いかけよう！」

隣の校舎に入り辺りを見渡すも、この広い空間で小さな猫一匹見つけるのはなかなか骨が折れそうだ。

鳴き声を頼りにしようと耳を澄ますと、猫のものとは違う足音が聞こえてくる。

「なっ、スザク！ A！」

「ルルーシュ！君も猫を？」

額に汗を浮かべ、荒い息遣いで「そうだ！」と余裕がなさそうに答える。

生徒会のお遊びかと思っていたが、彼がここまでして猫を探そうとする理由とは一体何だろう。

もしかして、とAは一つの説を思いつく。

「ルルーシュ、そんなに誰かのキッスが欲しいの？」

「バカなこと言ってる場合か！あれは……！」

「にゃあ〜」

どこからか聞こえた猫の声に三人はバッと頭上を見上げた。

時計塔の真下であるここからは、頂上まで長い長い螺旋階段が続いており、「にゃ〜」と猫の鳴き声が上から聞こえてくる。

「上か！」

「よーし行くよ！」

「ま、待て二人とも！！」

階段を登るAとスザクの後ろを走るルルーシュは、これはまずいと大きく舌打ちをした。

なぜなら猫は彼自身であるゼロの仮面を被っており、それが見つかると何もかもがおしまいだからだ。

何としてでも彼らより先に猫を捕まえなければならないのだが、体力のないルルーシュはすぐに息が切れてしまう。

「 ( くそ！なんであの女まで体力バカなんだ！曲がりなりにも軍人だということか！？ ) 」

悲鳴を上げる足に鞭打って頂上に辿り着いた時には、既にスザクが時計塔の屋根を這っているところだった。

Aはスカートを気にしてか小窓から身を乗り出して心配そうに見上げている。

.

－－
－－－－