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「 Aにお願いがあるんだけどさ 」
「 何? 」
二人で登校するAとスザクに周りの視線が痛いほど刺さる。
本来ならばレオも隣にいるはずだったが、一緒にいるとブリタニア人のレオも不快な思いをしてしまうと二人が申し出を断ったのだ。
「 僕とルルーシュが友達だってこと、内緒にしておいてほしいんだ 」
「 ……うん。私も学園内では極力ルルーシュに関わらないつもりだよ。彼の居場所がなくなったら嫌だもんね 」
友達と話すことさえ許されないこの場は息苦しくはあるが、これもまた友であるルルーシュのため。
それを我慢した先にはいつか学校を心から楽しめる日がくると信じている。
✱✱✱
しかし現実はそう上手くもいかず、Aは今日も一日を一人で過ごしていた。
周りの目を気にしながら帰り支度を済ませていると、教室からはいつの間にか生徒がいなくなっており、A 一人だけ。
「 二人とも、もう帰ったかな 」
このまま帰ろうかとも思ったが、二人の教室を覗いてみることにした。
最初に寄った一年生の教室にはレオの姿はなかったが、二年生の教室には一人で本を読むスザクの姿があった。
「 スザク 」
「 A! まだ学校にいたんだね。どうしたの? 」
「 一緒に帰りたいなって思って 」
スザクはパタンと本を閉じて立ち上がる。
「 丁度 僕も帰ろうと思って…… 」
その時、ピンポンパンポーンと放送を知らせるチャイムが言葉を遮り、Aとスザクは何だろうと目を合わせた。
『 こちら、生徒会長のミレイ・アッシュフォードです。……猫だ! 』
「 猫? 」
その放送の声がどこかで聞いたことがあると思えば、それは昨日 Aが逃げるように教室を飛び出した時に己の名を呼んだ声だった。
『 校内を逃走中の猫を捕まえなさい! 部活は一時中断! 協力したクラブは予算を優遇します。そして〜? 猫を捕まえた人にはスーパーなラッキーチャンス! 』
悪戯やお祭り騒ぎが大好きなミレイはマイク越しにフッと笑う。
『 生徒会メンバーからキッスのプレゼントだ〜! 』
馬術部、園芸部、科学部、アメフト部。
全部活が総出で猫を探し始め、外はあっという間に騒がしくなってしまった。
「 スザク。猫、探してみる? 」
「 面白そうだね。探してみようか 」
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りり(プロフ) - 静香さん» ありがとうございます。まだまだ続きますのでよろしくお願いします。 (2022年9月4日 2時) (レス) id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
静香(プロフ) - 更新楽しみに待ってます (2022年9月4日 1時) (レス) id: 96322907c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りり | 作成日時:2022年8月26日 0時