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「 あの男、シンジュクで会ったブリタニア軍人だろう。しかも女は軍に入っているときた。いいのか? 」

「 あいつは大丈夫だ。その……友達なんだ。それに女の方はいかにも鈍臭いやつだ、心配する必要はない 」





ティーポットを机の上に置き、C.C.をどかして引き出しに手をかける。

中には様々な産地の紅茶があったが、迷うことなく一つの箱に手をかけ、ティーパックを取り出した。





「 私はその女の方がどうも気になるんだがな 」

「 は? Aが? 馬鹿を言うな。お前も見てただろう、どこにでもいそうな子供だ 」

「 あぁ、分かっている 」





茶こしの中にティーパックを入れ、キッチンに置いてある電気ケトルでたっぷりの湯を注ぐ。

日本人であるスザクとAを迎えるために開封したシズオカゲットー産地の和紅茶は、すぐに綺麗な水色(すいしょく)を滲み出させた。

上品な淡い香りを蓋をして閉じ込め、あとは蒸らすだけ。





「 ならあいつの何が気になるんだ 」

「 ……あいつは本当にただの女か? 」

「 何が言いたい。さっきも言っていたが、あいつはスザクと同じ技術部だ。戦闘能力はゼロと言っていいだろう 」





前髪の下に手を差し込み、己の額に触れたC.C.。

どこか納得のいかない表情をしながら、壁越しにAのいる方向を見つめる。





「 どうもあの女はお前と同じくギアスユーザーのようだ 」

「 何だって!? 」





ポーカーフェイスが一気に崩れ、動揺を隠せない。

こちらを心配するスザクの声が聞こえたが、特に何事もなかったかのように「 大丈夫、すぐ戻るよ 」とC.C.から目を逸らさずに答えた。





「 お前の言う通りあいつがただの女なら心配することはない。……素質がないものにはそもそもギアスは発現しないからな 」

「 だが警戒は必要だろう。例え眠っていたとしても、この力がブリタニア側にあるのは厄介だ 」





力の宿る左眼に触れ、キッチンの陰からAを見る。

C.C.と会話をしながらもルルーシュの脳内ではタイマーが動いており、紅茶が一番 美味しいタイミングで茶こしごとティーパックを取りだした。





「 あの女はシンジュクで一度 撃たれているだろう。生死の境を彷徨ったにも関わらずギアスが発現していないということは、素質がないと考えていい 」

「 あぁ……。そうだといいんだがな 」





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りり(プロフ) - 静香さん» ありがとうございます。まだまだ続きますのでよろしくお願いします。 (2022年9月4日 2時) (レス) id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
静香(プロフ) - 更新楽しみに待ってます (2022年9月4日 1時) (レス) id: 96322907c4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りり | 作成日時:2022年8月26日 0時

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