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「 ルルーシュ。この後、Aも連れていっていいかな? 」
「 あぁ、構わないさ 」
いまいち話についていけず、Aは小首を傾げる。
「 ルルーシュには妹がいてね、これから会いに行くんだ。七年ぶりに会うからすごく楽しみだよ 」
七年ぶり、ということはやはりルルーシュとスザクはブリタニアに日本が攻められたときに離れ離れになってしまったようだ。
日本人がイレヴンと迫害され、ブリタニア人との間に明確な差をつけられているというのに、彼らの友という関係は変わらなかった。
「 すごく嬉しいけど、見ず知らずの私が邪魔しちゃ悪いよ 」
「 気にするなよ。ナナリーも歳の近い友達が出来たら喜ぶ 」
「 ……うん? 」
そこで何かがおかしいと感じたAは顎に手を当てて思考を巡らせた。
スザクとルルーシュは友達で、同じクラスで。
そんなルルーシュの妹だから、勿論Aよりは歳下になるのだが、なんだかとてつもない勘違いをされているような気がする。
「 えっと、ルルーシュくん。私の事いくつだと思ってる? 」
「 は? 細かくは知らないが、中等部だろう? 」
「 ふふっ 」
堪えきれず吹き出したのはスザクだ。
Aは自分が高校生にすら見えていなかったことにショックを受け、「 私は十八! 歳上なんだけど! 」と歳上らしからぬ態度を見せる。
「 お前が? 歳上? はは、面白い冗談だ 」
「 ルルーシュ、僕も最初は信じられなかったけど、彼女は僕らよりお姉さんみたいだよ 」
「 ……嘘だろう 」
どうも自分の周りには失礼で生意気で礼儀のなっていない歳下が多いようだ、とAは頭を抱える。
高等部の制服を身につけているというのに……。
「 だったら尚更その気持ち悪い呼び方をやめてくれ 」
「 呼び方? 」
「 名前だよ。ルルーシュでいい 」
君付けはどうもむず痒いらしく、本人の要望でルルーシュと呼ばせてもらうことにした。
「 それじゃ行こうか。俺たちは訳あって学園内のクラブハウスに住まわせてもらってるんだ。案内する 」
期待と不安で胸をいっぱいにしながら、ルルーシュの後をついていく。
そんなAの表情を見てまた泣きそうだと思ったのか、スザクは「 きっと仲良くなれるよ 」と優しく笑う。
「 ルルーシュの妹だもんね。ナナリーちゃん、楽しみだな 」
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りり(プロフ) - 静香さん» ありがとうございます。まだまだ続きますのでよろしくお願いします。 (2022年9月4日 2時) (レス) id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
静香(プロフ) - 更新楽しみに待ってます (2022年9月4日 1時) (レス) id: 96322907c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りり | 作成日時:2022年8月26日 0時