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「 あ゛あ゛あ゛っ!! 」





少女は無我夢中で走り続けた。

高さがなかったことが幸いにしてかすり傷程度で済みはしたが、二度も親を失った悲しみは計り知れない。

途中、たくさんの日本人が死んでいるのを見た。

その中に仲の良かった子供たちを見つけ、Aはさらに絶望のどん底へと叩きつけられる。





「 お父さん…… 」





ブリタニア軍の目を避け辿り着いた地下鉄内で、Aは声を押し殺して泣いた。

このままここにいては軍に見つかって殺されてしまう。どこか、どこか身を隠せるような場所はないだろうか。

暗い地下鉄内を見渡していると、大きな衝突音が聞こえた。





「 なに…? 」





陰からそっと様子を伺うと、大きな貨物トレーラーのような乗り物が停まっていた。

ブリタニア軍の攻撃で破壊され盛り上がった地面に衝突したようで、車輪が何度も空回りしている。





「 ブリタニア軍? それとも私と同じ…… 」





足音を殺して近づくと、トレーラーが突然 開いて得体の知れない機械が姿を現した。

その近くには学生服に身を包んだ男の子がいた。





「 あの 」

「 うわあ!!? 」





敵ではない。そう判断して声をかけると、思ったよりも驚かせてしまったらしい、学生は大きな声を上げた。





「 な、なんだお前は。ブリタニア軍……ではないな 」

「 はい。私は日本人です。あなたは、ブリタニアの学生さんですよね……? 」

「 あぁ、巻き込まれたんだ。今ならこの機械を登って上に出られる。お前も来るか? 」





そういって謎の機械に手をかける学生に、Aは「 けど自分は日本人ですよ 」と後ずさる。





「 は? 何 言ってるんだお前。こんな時にブリタニアだとか日本だとかどうだっていい。ここで死にたいのか? 」

「 それは……嫌です 」

「 なら早く来い。手を貸す 」





差し出された手をとろうとしたその時、何かが風を切る音に振り向くと、ブリタニアの兵士がこちらに突っ込んできているではないか!

Aは咄嗟に身を引いたが、学生は兵士の蹴りをまともに受けその場に組み敷かれてしまった。





「 殺すな、これ以上 」

「 何 言ってるんだ……っ! 」





まずい、このままでは学生が殺される。
助けないと。けど何が出来る。そもそも彼はブリタニア人だ。



“ こんな時にブリタニアだとか日本だとかどうだっていい”



……助けなければ!





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りり(プロフ) - 静香さん» ありがとうございます。まだまだ続きますのでよろしくお願いします。 (2022年9月4日 2時) (レス) id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
静香(プロフ) - 更新楽しみに待ってます (2022年9月4日 1時) (レス) id: 96322907c4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りり | 作成日時:2022年8月26日 0時

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