【コードギアス】地上に舞う羽 (ページ40)

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日本人がブリタニア人に歓迎されるとは思っていなかったが、やはりこうして嫌悪の目を向けられると心に刺さるものがある。

「七瀬 Aです。よろしくお願いします」

イレヴンだ、と自分を罵る声が聞こえる。

スザクとレオがいるのならと学校に通うことを決めたけど、みんな学年はバラバラで、結局は独りだ。

「はい、じゃあ授業はここまで」

与えられた端の席で息を殺して一日を過ごし、板書を終えたノートを鞄の中へしまう。

自分がいることによって教室の空気を重くしてしまっているので、とにかく早く帰ろうと席を立つ。

「あ、待って、七瀬さん！」

クラスの誰かに名前を呼ばれたが、Aは鞄を抱えてそそくさと教室を後にした。

すぐそこの大学部にさえいけば、ロイドとセシルがいるので安心することが出来る。

他学年の生徒と目を合わさないようにして階段を駆け下りて、玄関で靴を履き替えていたところで誰かに肩を叩かれる。

「 A 」

驚いてそちらを見ると、黒の学生服に身を包んだスザクがいた。

「スザク…… 」

心を許している友達に会えた安心から、Aの瞳にはうっすらと涙が浮かぶ。

「 A！？ご、ごめん。肩、痛かった？」

「違うの。ブリタニア人の中に一人ぼっちで怖くて、スザクに会ったら安心しちゃっただけなの」

「 ……ごめん。僕が誘ったから」

「ううん。決めたのは私だから。ごめん、こんなことでメソメソしてちゃダメだね」

袖で目元を拭い、パチンと頬を両手で叩いた。

少し落ち着きを取り戻したAは、「そういえば私に何か用だった？」とスザクを見上げた。

「君に会わせたい人がいるんだ。来てくれる？」

「私に？勿論いいけど、スザク、ブリタニアの学校に知り合いなんていたの？」

「うん。……同じクラスに友達がいてね。屋上に待たせてるんだ、行こう」

多少遠回りにはなるが、なるべく人のいない道を選んでくれているのが分かった。

スザクの後をついて階段を上り、屋上の扉が見えたところで突然足が止まる。

「スザク？」

「 ……制服、すごく似合ってるよ。可愛いね」

ぽかん、と口を開けて固まっているAを置いて、スザクは屋上への扉を開けて中へ入っていく。

スザク本人に下心はないだけに、なかなかダメージが大きい。

「直球だなあ… 」

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