6 ページ33
−−−−
−−
.
「 い、一体 何が……わっ 」
地響きとともに足元が揺れ、バランスを崩したAの首根っこをレオが掴む。
傍ではスザクがユフィに手を貸しており、やはり扱いの差が雑すぎるとレオを睨みつけた。
「 私 猫じゃないんだけど! 」
「 はいはい 」
あの建物内で一体 何が起こっているかは分からないが、一先ずはこの場から逃げなければいけない。
セシルさんに電話を……いや、間に合わない。
しかしAの気持ちが届いたのか、法定速度なんてなんのその、アクセル全開で特派のトレーラーがやってきた。
「 スザク君! Aちゃん! ……あら、レオ君まで? 」
「 君、どこにもいないと思ったらA君のボディーガードしてたんだね〜? 」
Aたちの前で止まったトレーラーからセシルとロイドが姿を見せた。
「 とにかく話はあとよ。皆 早く乗って! 」
「 純血派の内ゲバなんだよ。とっとと逃げよ 」
純血派と聞いて思い浮かぶのは、ゼロを名乗るテロリストにスザクを引き渡すという失態を起こしたジェレミアだ。
あの日 以来 純血派に亀裂が入っていたとは思っていたが、それは修復することは出来なかったらしい。
「 あぁそれと、釈放 残念でしたあ。また付き合ってもらうよ〜 」
「 待ってください! 」
トレーラー内に戻ろうとするロイドを引き止めると、スザクはこの内ゲバをランスロットの戦闘データをとるチャンスだと言う。
戦闘データなど、あの内ゲバを止めるための口実である。
しかしロイドからしたらこれは美味しい話で、渋るセシルの声も聞かずにランスロットが収容されている奥へと行ってしまった。
「 ごめんユフィ、ここでお別れだ。僕は行かなきゃならない。ランスロットなら止められるはずだから 」
今この瞬間も戦闘は続いており、このままではたくさんの日本人が眠るシンジュクをめちゃくちゃにされてしまう。
これ以上 ジンの眠る場所を荒らしてほしくはない。
スザクなら成し遂げてくれるだろう。
「 レオ、二人を頼む 」
「 はい 」
頷いたレオを確認してからスザクはロイドの後を追いかけていく。
レオはユフィをトレーラーに連れていきながら、あんたも早く来いと言うように一度 Aを見る。
「 ( スザク、頼んだよ ) 」
.
−−
−−−−
17人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りり(プロフ) - 静香さん» ありがとうございます。まだまだ続きますのでよろしくお願いします。 (2022年9月4日 2時) (レス) id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
静香(プロフ) - 更新楽しみに待ってます (2022年9月4日 1時) (レス) id: 96322907c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りり | 作成日時:2022年8月26日 0時