【コードギアス】地上に舞う羽 (ページ26)

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「なんですって……！！」

もう報道も群衆もパニックであった。

しかし、それが事実であればスザクはきっと釈放されるはず。

「イレヴン一匹で、尊いブリタニア人の命が大勢救えるんだ。悪くない取引だと思うがな」

これ以上コケにされてたまるか。

怒りにジェレミアが声を荒らげると、ゼロを囲むサザーランドが銃を構えた。

それでも尚動じることはなく、次の手を出す。

「いいのか？公表するぞ。“ オレンジ ”を」

「ん……？」

「私が死んだら公開されることになっている」

御料車が僅かに前進する。

目を凝らして見たが、窓ガラスにはスモーク加工が施されており運転手の顔を確認することは出来ない。

「何の事だ、何を言っている！」

訳が分からない、なんだ“ オレンジ ”とは。

混乱するジェレミアにゼロは少しづつ距離を詰める。

「そうされたくなければ……。私たちを全力で見逃せ。そっちの男もだ！」

ジェレミアの様子を見るに、毒ガス同様この“ オレンジ ”に関しても全く心当たりがないようだ。

ということはこれはゼロのはったりか？
だとすると毒ガスまでもがゼロの計算内だったというのか？

奴は一体、何者なんだ。

グルグルと思考を巡らせているAをこちら側に戻したのは、ジェレミアの「いいだろう。その男をくれてやれ」というとんでもない発言だった。

「ジェレミア卿！？今なんと…… 」

「その男をくれてやれ！！」

「しかし」

「くれてやれ！誰も手を出すな！！」

な、なんだ。ゼロは一体何をした。

イレヴンを蔑み、何よりも己に流れる血を大切にしているジェレミアが、要求を飲んだ？

まるで人が変わったかのようだ。

「これは命令だ！！」

兵士が渋々とスザクの拘束を解くと、彼はゆっくりとゼロの元へと歩み寄る。

真犯人を名乗るものが現れたとはいえ、クロヴィス殺害犯として護送されていたスザクを解放したことで、ここに集った国民からは非難の声が絶えずにいた。

だが今がチャンスだ。
純血派に亀裂が入っている今こそ、スザクを助けるチャンス！

「スザクッ！！」

「な、お前は……！！」

スザクとゼロの間に割って入り、両手を広げた。
今度は私が守ってみせる。

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