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黒の仮面とマントに身を包んだその人物は堂々とした立ち振る舞いで己を“ ゼロ ”と名乗った。
表情は何一つ伺うことは出来ないが、その視線は真っ直ぐスザクに向いているように見える。
群衆はテロリストかと動揺しているが、ジェレミアにとってはこの程度の反乱は想定内であり、それに対する粛清の用意も抜かりない。
「 もういいだろう、ゼロ。君のショータイムはおしまいだ 」
一発の銃声の後に、上空から更に四体のサザーランドが投入され、御料車の四方を囲む。
圧倒的に不利な状況にも関わらず、ゼロは依然として前を見据えていた。
「 さぁ、まずはその仮面を外してもらおうか 」
ジェレミアの要求にゼロはゆっくりと仮面に手を伸ばし……そしてそれを空に掲げて一つ指を鳴らす。
するとゼロの背後にあった張りぼてが崩れ落ち、そこから記憶に新しい機械が姿を見せた。
「 何……!? 」
目をまん丸くさせて驚くジェレミアの反応は多少 大袈裟ではないかと思ったが、
「 ジェレミア卿、あれは!! 」
サザーランドの一つから褐色肌の女性が身を乗り出した時、Aは全てを理解した。
あの機械の中から女の子が出てきた時にその場に居合わせたのは、Aとスザク、そしてルルーシュ。
クロヴィス親衛隊は殉職しているので、現場を目撃していたのはこの三名のみとなる。
そして恐らくあのジェレミアの反応を見るに、彼もこの事実を知らされていない……ということは!
「 ( 彼はあれを毒ガスだと思い込んでいる!! )」
ゼロ、残念ながらそれは毒ガスじゃない。
しかし純血派の動きが止まったのは好都合だ。
機械の中身が毒ガスでない以上、民間人の安否は気にする必要はない。今のうちにスザクを助けられないだろうか。
「 ……分かった、要求は! 」
「 交換だ。こいつと枢木スザクを 」
まさか、ゼロはスザクを助けようとしている?
しかしそのような要求を飲むはずもなく、ジェレミアはクロヴィスを殺めた大罪人を渡せるはずがないと切り捨てる。
「 違うな、間違っているぞジェレミア。犯人はそいつじゃぁない 」
カメラを持ったプロデューサーらしき男が群衆をかき分けてゼロのすぐ側にやってきた。
ゼロはそのカメラに向けて、衝撃の一言を放つ。
「 クロヴィスを殺したのは、この私だ!! 」
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りり(プロフ) - 静香さん» ありがとうございます。まだまだ続きますのでよろしくお願いします。 (2022年9月4日 2時) (レス) id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
静香(プロフ) - 更新楽しみに待ってます (2022年9月4日 1時) (レス) id: 96322907c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りり | 作成日時:2022年8月26日 0時