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その頃、G-1内 特派ヘッドトレーラーにて。





「 スザク君が無実だって、私たちは知っているのに 」

「 法廷が僕らの証言を取り上げないって決めたんだ。仕方ないよ 」





中継を見ていたセシルが「 でも 」と納得しきれない様子を見せると、ランスロットの整備を続けていたロイドがくるりとこちらを向いた。





「 ねぇそれって博愛主義? 人道主義? 」

「 こんな時に言葉遊びですか? 」

「 他にやることある? 君だって知ってるでしょ、こういうケース 」





苛烈な扱いを受けるイレヴンがブリタニア人に嫌悪されていることは周知の事実だが、罪のない人物を晒し者にし、世論をも掌握しているこの事実を“ こういうケース ”に一括りにしてしまっていいのか。





「 サミットで殿下(あのひと)とも連絡とれないし、もう諦めるしかないよ 」





スザクを誰かに重ねているのか悲しげな表情を浮かべるセシルに、ロイドは優しく諭すように言うと再びモニターに向き直る。





「 もう、どうにもならないのね 」





「 何か出来ることがあるかもしれない 」とトレーラーを飛び出していった彼女は今 何を思っているのだろう。





「 Aちゃん、貴方まで失いたくはないわ。気をつけてね…… 」





カラカラ、とキャスター付きのワークチェアが音を立てる。

立ち上がったロイドは隣のモニターの前に移動してキーボードを叩き始めた。

ランスロットの隣に立つ薄紫と白のナイトメアは光を受けてキラリと輝き、デヴァイサーを今か今かと待ち望んでいる。





「 隻腕… 」





ロイドの独り言は整備士にもセシルにも届かず消えていく。





「 セシル君 」

「 はい? 」

「 王を守るのが騎士なのだとしたら、一体 誰が騎士を守るんだろうね? 」





白髪の整備士は二人を薄紫色のナイトメアの上から眺めながら、上腕に装着されたブレイズルミナスの点検を行う。

どうやらセシルは返答に困っているらしい。

ロイドは一際 強くモニターを叩くと、ナイトメアの腕に跨る整備士を見上げた。





「 君はどう思う? 新入り君 」





作業を中断した整備士は、伸びた前髪の隙間から蒼の瞳を覗かせた。





「 俺たちでしょう 」





その言葉を聞いたロイドは満足そうに目を細めると、未だに落ち込んだ様子のセシルの肩をポンと叩いた。





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りり(プロフ) - 静香さん» ありがとうございます。まだまだ続きますのでよろしくお願いします。 (2022年9月4日 2時) (レス) id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
静香(プロフ) - 更新楽しみに待ってます (2022年9月4日 1時) (レス) id: 96322907c4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りり | 作成日時:2022年8月26日 0時

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