【コードギアス】地上に舞う羽 (ページ23)

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沿道にはたくさんのブリタニア人が集まっており、民衆は枢木スザクが通るのを今か今かと待っている。

トレーラーから中継の様子を見ているロイドらに断りを入れ、護送車の通り道へとやってきたAは、その人の多さに目眩を覚えた。

いくらなんでも多すぎる。

端から端までを埋め尽くさんばかりの人の数は、メディアの力が働いているとしか思えない。

「このままじゃ、本当に…… 」

この際、ブリタニア人でも誰でもいい。
正義の味方よ、スザクを助けてください。

中継車も何台が見えることから、今のこの状況を面白がって見ている者もいるのだと思うと、やはり腹が立つ。

『見えてきました！枢木容疑者です！』

リポーターの声に顔を上げると、拘束されたスザクを乗せた護送車がゆっくりとこちらに向かってきていた。

しかしスザクが乗っているのは後部座席ではなく、まさしく護送車の“ 上 ”であった。

「 ( なんて性格の悪い……！ )」

護送車の周りにはサザーランドもついており、万が一の事態を警戒しているとみえる。

先頭をいくサザーランドのコックピットのハッチは開かれており、そこには我が物顔で振る舞うジェレミアの姿があった。

頭上に位置するスピーカーからは、事件解決に尽力したジェレミアに賞賛を送るリポーターの声が響いている。

「 ( どいつもこいつも、上辺しか見ていない！！ ) 」

群衆からスザクへの数多の罵詈雑言に耳を塞ぎたくなったが、彼が耐えているというのに自分が逃げる訳にはいかない。

視線は逸らさず、ジェレミアを睨みつけた。

「全軍停止！」

インカムで数回やり取りをした後に、ジェレミアは護送車を停止させた。

丁度 Aの目の前で止まり、群衆もざわめきだす。

『ここで停止するというのは予定にありません。何かのアクシデントでしょうか……？』

人の波に揉まれながらリポーターの声を聞き落とさないように耳を澄ます。

一体何が起こったのかと辺りを見渡すとブリタニアの国旗が掲げられた一台の車－－－亡きクロヴィス専用の御料車がこちらに向かってきていた。

「出てこい！殿下の御料車を汚(けが)す不届き者めが！」

ジェレミアの声に御料車は停止すると、ブリタニアの国旗が燃え上がり、仮面を着けた謎の人物が姿を現した。

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