【コードギアス】地上に舞う羽 (ページ21)

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▼ その名はゼロページ21

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どのチャンネルもクロヴィスの殺害事件のことばかり。

揺れるトレーラーの中でAはテレビを消し、どさりとベッドに倒れ込んだ。

スザクが連れていかれて数時間後にはあのでっち上げの内容が速報でニュースになり、秘匿されていたクロヴィスの死がジェレミアによって発表された。

なぜブリタニアがクロヴィスの死について沈黙を貫いていたのかは不明だが、ジェレミア率いる純血派にとっては都合が良かった。

「スザク、無事でいて…… 」

ニュースで見たスザクは傷だらけで見ていられなかった。
日本人だからという理由で酷い扱いを受けているに違いない。

「 A君」

「わあっ！？」

名前を呼ばれて声を上げると、入口の扉に背を預けてこちらを見るロイドがいた。

「ノックはしたからね？」と言われ、どうやらAは入室に気が付かないほど考えこんでいたらしい。

「今からスザク君の所に面会に行くけど来る？」

「 ……行きます」

「君ならそういうと思ったよ。もうすぐG-1に着くからついておいで」

流石に一日経てば熱(ほとぼ)りも覚めたのか、ロイドはいつもの調子に戻っていた。

寧ろスザクのことはすっかり諦めたようにも見える。

「行くよ、A君」

揺れの収まったトレーラーから降りて、ロイドの後を着いていく。

本来ならばAがG-1に入ることなど叶いもしないが、一応伯爵の爵位を持つロイドが居れば容易いことであった。

先程から通りかかる兵士たちがロイドに頭を下げては、後ろを歩くAを不思議そうに見つめる。

「こっちだよ」

進むにつれて人通りは少なくなっていき、薄暗い廊下を歩いていくと、ロイドは一つの部屋の前で足を止めた。

「や、スザク君。元気？」

ガラス越しに見たスザクは囚人服を身につけ、顔の至る所に傷を作っていた。

後ろ手に拘束されているその姿を見た途端、ずっと心配していたというのにAはかける言葉を見つけられずにいた。

「 A 」

スザクはAを見ると、安心したかのように笑う。

「君も日本人だから酷い目に合ってるんじゃないかと心配してたんだ。無事でよかった」

その言葉を聞いた瞬間、ガラスを両の拳で思い切り殴りつけた。当然防弾のそれには傷一つつかない。

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