【コードギアス】地上に舞う羽 (ページ18)

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「それは」

言葉に詰まるAを待たずロイドは続けた。

「純ブリタニア人からは蔑視され、同じはずの日本人からは裏切り者扱いされる。彼らから見たら君たちは非国民そのものだ」

「 ……覚悟の上です」

「この先いくつもの壁がある。後になって泣いて投げ出そうとしても、僕は逃がすつもりは無いよ」

Aの覚悟は本物であったが、不安ももちろんあった。

その不安をたった一言で払拭したのはスザクだった。
肩に乗せられた手に隣を見ると柔らかい笑顔が向けられている。

「大丈夫、僕もいるよ」

そうだ、彼も名誉ブリタニア人。

いつから軍に所属しているかは不明だが、これまでの間様々なことを経験してきたはずだ。

自分一人で背負うわけではない。
Aは肩の力を抜き、微笑み返した。

「任せてくださいロイドさん。……やるからには全力で。半端な真似はしません」

「 ……あはっ。言霊取ったからね？じゃあ、僕もそれに全力でこたえるよ。ナイトメアをお楽しみに〜！」

ノートパソコンを小脇に出ていったロイドを見送り、Aは空になった湯呑みを片手に流しに向かう。

「あ、ごめん。ありがとう」

「うん」

スザクの分の湯呑みを軽く水洗いしながらこれからのことについて考えていると、廊下の方から先程出ていったはずのロイドと、そしてセシルの声が聞こえてきた。

「ちょっと何なの君たち！！」、「誰の許可を得てこんな真似をしているんですか！！」と、内容は物騒だ。

スザクは素早く立ち上がりAを背に隠すと、部屋の入口を睨みつけた。

生体反応を感知して開いた扉からは、武装をした兵士が次々と流れ込んできた。

「 ……何か」

低い声で呟くスザクの肩越しに、Aは見た。

兵士の合間を縫って前に出てきたのは、青の軍服に身を包み、左肩にペリースをはためかせる男。

すぐ側には部下であろう褐色肌の女性がいる。

「枢木スザク一等兵は」

「自分です」

男はジェレミア・ゴットバルトと名乗った。

ジェレミアが右手を軽くあげると、兵士が急にスザクの身柄を拘束したではないか。

「な、何をするんですか！！」

スザクが抵抗すると、兵士は銃のグリップ部分で思い切り頭を殴りつける。

どうやら彼らは本気のようだ。

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