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「 う…… 」





小さく声を上げて少女がゆっくりと目を開く。

蜂蜜色の瞳が最初に映したのは、こちらを心配そうに見つめるスザクの姿。





「 良かった……! もう大丈夫だよ、ここは軍の施設だから 」

「 枢木 スザクさん…あなた、こそ、無事で…いたっ 」

「 まだ動いちゃダメだ。貫通しているとはいえ、君は脇腹を撃たれている 」





上半身を起こすと脇腹に激痛が走り、顔を歪める。
スザクは少女の肩を優しく押して、ベッドに横たわらせた。





「 あなたが助けてくれたんですか? 」

「 うん。君を見かけた時はすごく焦ったよ。あの時ルルーシュといた女の子だったから…… 」

「 そうだ、ルルーシュくんは? 一緒にいた女の子は!? 」





またしても身体を持ち上げようとする少女を抑えながら、スザクは「 まだ分からないんだ 」と首を振る。

彼女が知らないとなれば、もう無事を祈ることしか出来ない。





「 ど〜も〜。ここのお偉いさんのロイドで〜す。こっちははセシル君ね。君の名前を教えてもらえるかな? 」




突然 割り込んできたロイドに、少女は少し気まずそうに視線を逸らした。

そして脇腹を抑えながらゆっくりと身体を起こすと、「 七瀬 A です 」と耳を澄まさなければ聞こえないほどの声で呟く。





「 やっぱり、君は……日本人なんだね 」

「 は、はい。すみません。すぐに、出ていきますから 」





スザクの言葉を差別的な発言だと認識したAは、視線に耐えきれず部屋を出ていこうとする。

スザクは細い手首を咄嗟に掴むと、自分も同じだと告げた。





「 いいえ、違います。あなたは名誉ブリタニア人です。私とは……違う 」

「 ここを出ていって、どこへ行くつもりなんだい 」

「 そんなものありませんよ。ブリタニアに何もかも壊されてしまいましたから 」





今の自分ではAをどうこうすることはできない。

困ったようにロイドの名前を呼ぶと、彼は待ってましたとばかりに大きく手を鳴らした。





「 A君だっけ? 色々 聞きたいことがあるし、ちょ〜っとここにいてもらっていいかな? 」

「 私にお話できることはなにも 」

「 いいからいいから! はい、こっちきてね〜! 」





ロイドはAの肩を押して医務室を出ていってしまった。

怪我人を丁重に扱えと憤怒して後を追うセシルを見送り、スザクも腰を持ち上げた。





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りり(プロフ) - 静香さん» ありがとうございます。まだまだ続きますのでよろしくお願いします。 (2022年9月4日 2時) (レス) id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
静香(プロフ) - 更新楽しみに待ってます (2022年9月4日 1時) (レス) id: 96322907c4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りり | 作成日時:2022年8月26日 0時

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