【コードギアス】地上に舞う羽 (ページ12)

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「セシルさん、彼女は」

「一命は取り留めたわ。もうすぐ目も覚ますでしょう」

特派のトレーラーにて。医務室から出てきたセシルの言葉にスザクは「よかった」と笑う。

「中へ入っても？」

「えぇ」

了承を得て中へ入ると、ベージュのワンピースタイプのパジャマを身につけた少女が規則正しい寝息を立てていた。

すぐ側には点滴スタンドがあり、輸血パックが吊るされている。

「このトレーラーには私とロイドさんの私物しかないから、パジャマくらいしか着せてあげられるものがなくて」

スザクはベッドの近くにまで椅子を持ってきて腰掛ける。

ほんの少し前まで少女が眠るベッドでは同じように自分が眠っていたのだと思うとなんだか不思議な気持ちになる。

…少女が起きたらルルーシュが無事なのか聞きたい。
彼はスザクにとって大切な友人だから。

「こんにちは〜！どう、目覚めた？」

「まだです。それより、入ってこないでくださいって言いましたよね？」

「あはっ。そうだっけ」

入ってきたのは特派の主任のロイド。

部下であるセシルにジトリと睨みつけられるも、軽く流して枕元に近づく。

「ふ〜ん。女の子か」

「ロイドさん」

「セシル君顔が怖いんだけど」

ポケットに手を突っ込み、前屈みになってジロジロと少女を文字通り頭のてっぺんからつま先までを眺める。

状況を把握できずスザクがセシルに視線をやると、彼女は半ば呆れたように話し始めた。

「彼女がサザーランドに搭乗していたことをつい話してしまったんです。そうしたらロイドさんが過去のデータを漁り始めて」

遮るようにその続きを話し始めたのはロイドだ。

「そしたらね、見つけたんだよ。隻腕でテロリストをどんどんやっつけちゃうナイトメア！そう。この子だよ、こ〜の〜子！」

「彼女が？」

あどけない寝顔はスザクと同じくらいの年齢に見えるし、何より彼女は女の子だ。

あの時「死にたくない」と震えていた彼女がナイトメアを操縦してテロリストを…？

「ロイドさんが今何を考えているか当ててみましょうか」

「ん〜？なに、言ってみてよ」

セシルは息を吐き、上司に向かって言い放った。

「いいパーツが手に入りそうだ」

それに対してロイドは怪しく笑うだけだった。

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