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回線は確かに繋がっている。
もう一度 声をかけるが応答がないため、スザクはどうしたものかと白兜−−−ランスロットの中で考える。
特別派遣嚮導技術部……通称 特派で開発されたこのナイトメアは第七世代ナイトメアフレームの最初の機体で、従来の量産型よりも性能が高い。
ここまでテロリストたちを一掃してきたスザクは、サザーランド内の兵士の安否を確かめるか、戦闘に戻るかで悩んでいた。
「 ……いや、僕に課せられた命は 」
テロリストを抹消し、この戦いを終わらせること。
ここで止まっているわけにはいかない……。
プライベート回線を切断し、再び戦場へ戻ろうとした時、新たな回線がランスロットに繋げられた。
『 全軍に告ぐ。ただちに停戦せよ! 』
「 停戦……? 」
それは確かにエリア11の総督にして第3皇子、クロヴィス・ラ・ブリタニアの声だった。
負傷者をイレブン、ブリタニア人に関わらず救助せよとの言葉に、ようやくこの戦いが終わったことを実感する。ならば、今すぐこの目の前のサザーランド内の兵士の安否を確認しよう。
念の為もう一度 回線を繋げてみたが、変わらず応答はない。
こうなったら外側の開閉ハンドルで中を確認するしかない、とコックピットから出ようとしたところで、四肢のうちの二つを失ったサザーランドがバランスを崩して倒れる。
その拍子にコックピットが破損し、中からだらりと兵士の上半身が姿を見せた。
スザクはすぐにモニターで拡大すると、そこに映し出されたものに目を見開く。
「 おんなの、こ…? 彼女は、まさか! 」
白のワンピースのほとんどは赤く染まっており、垂れ下がった腕はピクリとも動く様子はない。
栗色の髪の毛で顔を確認することは出来ないが、スザクはそれがルルーシュといたもう一人の女の子だと確信した。
「 セシルさん! 怪我人をそちらに運びます! 処置の用意をお願いします!! 」
『 スザクくん? 怪我人ならG-1を一時的にを野戦病院… 』
返事を最後まで聞かず、コックピットを開いてワイヤーに足をかけた。
地上に降り立つと、すぐに少女に駆け寄り声をかける。
「 君! 大丈夫!? すぐに助けるから! 」
身体を起こすと、少女の白い肌は死人のように青白かったが微かに脈がある。
スザクは少女を抱えてランスロットに乗り込むと、特派のトレーラーを目指して出力全開で走り出した。
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りり(プロフ) - 静香さん» ありがとうございます。まだまだ続きますのでよろしくお願いします。 (2022年9月4日 2時) (レス) id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
静香(プロフ) - 更新楽しみに待ってます (2022年9月4日 1時) (レス) id: 96322907c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りり | 作成日時:2022年8月26日 0時