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優しい眼差し ページ32

碧棺さんに帝統が帰ってきたことを1番に報告したくて、
土曜日が来るのを指折り数えて待っていた。

ついにやってきた土曜日でウキウキして横浜へ向かう。





「こんにちは!」

もう随分と慣れた手下のヤクザさんに機嫌よく挨拶をする。

「兄貴ならちょっと出てますぜ」

「そうなんですか、
待たせてもらっていいですか」

了承をもらい、私はリビングで碧棺さんを待つことにした。

碧棺さんが帰ってきたら玄関まですぐに行って、この喜びを伝えたかったからだ。


「…そう言えば、碧棺さんにも妹さんがいますよね」

ふと思い出してヤクザさんに話しかける。

「兄貴、妹さん思いですからねェ」

「いいお兄さんですよね」

すると、このヤクザさんは碧棺さんと妹さんの離れて暮らすことになった理由を話した。


両親がどちらも亡くなってしまって、妹と暮らしてたが
TDDのメンバーだったから、敵が多すぎて、
妹さんを狙う輩も多かったらしい。

ある日その輩の一人が妹に怪我をさせて、碧棺さんは一緒に暮らしたかったが、

妹を守るために妹を安全な中央区に暮らさせた。



その話を聞いて私は心の底から驚いた。

そんなに悲しい過去があるのに、どうして、
私の弟の話を嫌な顔一つせずに付き合ってくれたんだろう…。

妹さんを思い出して辛くなかったかな…。


『今度は俺が支えてやる』

あの日の夜、碧棺さんに言われた言葉がフラッシュバックする。


体が熱くなるような感覚を陥る。

ヤクザさんに
「大丈夫ですかい?」と心配されるほど
私は動揺してたらしい。



玄関が開く音がして「兄貴帰ってきましたぜ」
と言われたので

あんまり乗り気ではなくなってしまった足取りで玄関へ向かった。


「もう来てたのか」

碧棺さんは靴を脱ぎながら私を見てそう言った。


「…弟、帰ってきたんです」

碧棺さんの顔をあんまり見る事ができなくて俯きながら報告をした。


碧棺さんは家に上がり、私の近くまで来ると、
「よかったな」と私の頭を
軽く撫でて彼の部屋へ向かっていった。


追いかけるように彼の後ろをついて行く。


私の弟の話、聞いていて辛くなかったですか

なんでそんなに優しくしてくれるんですか

ただただ泣いている私にムカつかなかったですか


言いたいことが溢れだしそうになり、思わず立ち止まった。


前を歩いていた彼は振り返り


「はよ来い」と優しい眼差しで私に語りかけた。





どうしよう…。


私…、





碧棺さんのこと、好きだ…。

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ベベンべェェ - 帝銃だったらマジでエアガン打って幻太郎になんかやられてそう (2022年10月30日 10時) (レス) @page28 id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 2chスレからこの話思いつきました感やば (2022年6月17日 22時) (レス) @page2 id: cc1286ce8c (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - 読み終わりました!続編へGO♪ (2022年1月14日 5時) (レス) @page50 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - あと、作者様安心してください。高評価押しましたぁ!!応援してますんで! (2022年1月14日 5時) (レス) @page41 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - えっ?ここアンチ居んの???こんなに良い話なのに?うーん、取り敢えず一回○しとこうか...?(黒い笑顔♪) (2022年1月14日 5時) (レス) @page41 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りりか | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2018年12月15日 17時

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