優しい男 ページ18
私の手を掴んだままの碧棺さんは無言のまま歩き始めた。
「碧棺さん、助けてくれてありがとうございました」
私がそういうと碧棺さんの足は止まり、掴んでいた手も離された。
「…なんで勝手に帰ってるんだよ」
「碧棺さんがタバコを買いに行かれてたので…」
碧棺さんは更に不機嫌な顔になり
「許可なく帰ってんじゃねえよ！！」
と私を怒鳴った。
しばらく怖い所を見ていなかったからか碧棺さんの怒鳴り声は
より一層怖くて何も言えなかった。
「…ご、ごめんなさい」
正直、なんで許可なく帰ったらダメなのかとか聞きたいことはあったが
目の前の碧棺さんがただひたすらに怖くて謝る。
碧棺さんは私が謝ったことでハッとして少し怒りを沈めた。
するとなにも言わないまま前を向き、再び駅の方向へ歩き始めた。
その後ろをただ着いて行った。
駅についても碧棺さんは同じ電車に乗ろうとしてきた。
「もう大丈夫ですよ！」
と、言っても着いてこようとするので
「弟に迎えに来させますから！」
と嘘をついた。
碧棺さんは私の嘘を見破ったのか疑っていて、
「じゃあ、俺の目の前で弟に連絡しろや」
と威圧的に言う。
嘘でーす☆なんて言えるメンタルはあいにく持ち合わせていないので
しょうがなく帝統にかける。
『ねえちゃーん？』
「あ、帝統？
悪いけど渋谷駅まで迎えに来てくれる…？」
『俺、今友達と遊んでるんだけどー』
断られましたと言おうと思い、
碧棺さんの目を見ると明らかにイライラしてたので
「お願い！おこずかい増やしてあげるから！！」
と必死に帝統に懇願した。
『まじぃー？！行くいく！』
単純な男でよかったと思いつつ電話を切る。
「…てことで1人で帰れるので…」
碧棺さんは私の髪に手を伸ばした。
でもなんだか碧棺さんが怖くて思わず逃げてしまった。
「…」
碧棺さんは何も言わないが沈黙がひたすら怖くてやってしまったと思っていると
再び髪に手が伸びてきて今度は逃げなかった。
「お前は俺が怖いのか？」
私の髪を耳にかけながらそう言う碧棺さんの顔はなんだか苦しそうだった。
「碧棺さんは優しいですよ…」
そんな言葉しか出てこない自分に嫌になるが少なくとも私の本音だった。
碧棺さんは私の髪から手を離した。
まだ何か言いたそうにしていたが
「気をつけろよ」とだけ言って背を向けて歩き始めてしまった。
そんな彼を追いかけようとしたが、足は動かなかった。
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ベベンべェェ - 帝銃だったらマジでエアガン打って幻太郎になんかやられてそう (2022年10月30日 10時) (
レス) @page28 id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 2chスレからこの話思いつきました感やば (2022年6月17日 22時) (レス) @page2 id: cc1286ce8c (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - 読み終わりました!続編へGO♪ (2022年1月14日 5時) (レス) @page50 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - あと、作者様安心してください。高評価押しましたぁ!!応援してますんで! (2022年1月14日 5時) (レス) @page41 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - えっ?ここアンチ居んの???こんなに良い話なのに?うーん、取り敢えず一回○しとこうか...?(黒い笑顔♪) (2022年1月14日 5時) (レス) @page41 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)
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