「Aphrodisiac」 from T.N Part2

優しさ ページ23

宏光は泣き腫らした私を慰めてくれた後、




「今日はもうサボるか！





俺んち行こうぜ！」






なんて言って歩き出す。







私、こんなに宏光に甘えていいのかな…




心の中にはやっぱり高嗣しかいないのに…






「ん」





宏光がこっちに向けて手を出す。




手を繋ぐってことかな…いやでも、勘違いだったら恥ずかしい…








「手、つなごうぜ」




なんて目を逸らしながら私の手を握る。





ジェットコースターのときは意識しないで繋いだけど、





宏光の意外に大きい手、骨ばっててゴツゴツしてて






私の手とは全然違う






なんか意識したら緊張してきた…





「ちょ、やっぱり、手、離して…



恥ずかしくなってきたから」







「はぁ？今さら何言ってんだよ



前も繋いだだろ……。





って、お前、顔真っ赤じゃん…」







「やだ、あんまり見ないでよ」







「あー、やべー、超かわいい…」





宏光は手をつないでないほうの手で顔を押さえる。





宏光も真っ赤…






照れてるんだ…




「…あのさ、」



宏光が何かを言いかける




すると






ガラッ






「あれー、Aさんに、北山じゃん。




もしかしてお取り込み中だった？」







玉森くんがおどけた感じに入ってきた







「……たま、俺らサボるから先生に伝えといて」



「んー、じゃあねー」




「行くか、A！」



「う、うん…！」



私の手を引っ張ると、走り出した。






大きい宏光の背中









神様ごめんなさい







もうすこしだけ、






宏光の優しさに甘えさせてください

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