この手で掴む【銀魂】伍 (ページ9)

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沖「近藤さん、俺も我ァ通しに来ただけでさァ。このままではゴリラを姐さんと呼ばなきゃいけなくなる。ちなみに今日はバリバリ仕事でしたがサボって来ました」

真選組がギャーギャー言っている中、新八は静かに銀時の名を呼ぶ

新「僕ねェ…もうシスコンと呼ばれてもいいです。
僕は姉上が大好きです…だから…姉上が心底惚れて連れてきた男ならたとえそれが万年金欠のうさんくさい男でも…ゴリラのストーカーでも…マヨラーでも…ドSでも…殺戮兵器の女でも…姉上が幸せになれるならもう…泣きながら姉上送る覚悟なんてできてるんだ。でも…

____泣いてる姉上を見送るなんてマネは、まっぴら御免こうむります」

その言葉がきこえているのか、いないのか。
銀時達は無言で歩き出す

少し歩いたところで銀時と神楽は止まった

銀「新八、覚えとけよ。俺達ゃ正義の味方でもてめーのネーちゃんの味方でもねェよ…

_____てめーの味方だ。」

土「言っておくが、俺は味方じゃねーよ。たまたま敵が一緒なだけだ」

そう言い、新八を置いて土方も歩き出す

カッコつける土方を見ながら沖田は

沖「ベタじゃない？ベジータ気取りでさァ。あのままさり気なく仲間になるつもりだぜ。気をつけな」

そう言い、沖田も先を歩いていく

だが、新八は他の者たちが先を行っているにも関わらず動けないでいた。

自分は一人ではなかったんだと…

姉上はいつもこんなうるさい人達に囲まれながら生活していたんだと…改めて気付かされた。

固まっていた新八の背中を暖かい手がパシンッと叩く

茜「"仲間"とは程遠いが…アイツらは死んでもお妙ちゃんのためだなんて言わないだろうな…」

茜は前を歩く銀時達を見ながら話す。そして、もう一度、今度は強く新八の背中を叩く

茜「___胸を張れ。前を見ろ。背中は私たちに任せればいい__。」

新八にそう言い残すと、茜もみんなに続こうとするが、新八はそれを引き止めた。

新「あのっ!!茜さん!!……茜さんはどうして来てくれたんですか？」

銀時や土方達は自分や借りを返すためだと言っていたが、唯一茜だけは何も言わなかったからだ。
茜は振り返らずに腰の刀を優しく撫でる

茜「……似てたから____もう人の涙に濡れるのは御免なんだよ…」

悲しそうな声だった。まるで何かを思い出しているかのような___。
しかし、茜はそう言うと何事もなかったかのように歩き出していった。