二人の生活、前編 (1) ページ11
水で米を研ぎ、葉物も洗って切っておく。
小さめの土鍋にまとめて放り込み、溶き卵も入れた。
薪に火をつけ、竈の上に乗せて炊く。
雑炊が出来るまで、川でハチの忍び装束を綺麗にした。
家に戻り、戸棚から裁縫道具を取り出して破れた所を繕う。
裁縫は爺さんから教えてもらったのではなく、俺が独学で習得したものだ。
一度、花魁の着物に施された刺繍を見たときに感動し、そこから少しずつのめり込んでいった。
俺は男だが、綺麗な物は嫌いじゃない。
そうしている内に、雑炊が炊けたようだった。
土鍋の蓋を少しずらして熱気を逃していると、ハチが起きる気配がした。
茶碗二つと、木で出来た小さじを盆の上に乗せて布団まで持っていく。
八左「……なんか美味そうな匂いがする。それ、なんだ?」
A「雑炊だ、俺が作った。食えるか?」
八左「食欲はあるけど…起き上がれないんだ。
利き腕を怪我してるから、食べれるかどうか分からない」
A「心配せずとも食わせてやる。明日から辛くなるだろうから」
八左「え?明日からなんかあるのか?」
A「…そんだけ大怪我してりゃ、熱が出る。多分、一週間ぐらいは食欲無くすぞ。
だから今のうちに食っとけ。ほら」
顔面蒼白になったハチの口に、冷ました雑炊を突っ込んだ。
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たうふ(プロフ) - 出来ればモブはなるべく出したくないですね。あくまで主目線で書くので。ちょっと大人しいクラス、みたいにしたいです (2022年11月30日 20時) (レス) id: d63725ab51 (このIDを非表示/違反報告)
ナツフユ(プロフ) - 五年は組はどんなキャラになるんだろう (2022年11月30日 19時) (レス) id: 0f4d4373eb (このIDを非表示/違反報告)
たうふ(プロフ) - 存在はするらしい(安藤先生より)けど、出てきた事はありませんからねぇ (2022年11月30日 18時) (レス) id: d63725ab51 (このIDを非表示/違反報告)
ナツフユ(プロフ) - 五年は組の初登場回がこれだったらいい (2022年11月30日 3時) (レス) id: 0f4d4373eb (このIDを非表示/違反報告)
たうふ(プロフ) - ナツフユさん» そうですね。お爺ちゃんっ子みたいで、かつ思春期に入るくらいの感じです (2022年11月29日 15時) (レス) id: 83a0aeaebb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たうふ | 作成日時:2022年9月2日 1時