twc,yduf_原因不明_#01 ページ14
一瞬だった。
フラッと体が傾き
フレーム単位の時間に腕を掴んだ。
振り返った3人の瞳孔は大きかった。
ゆっくり彼女と自身の体を床へと近づける。
「マコどした？体調不良？」
ゆげぽがそう言いながらこちらへと近づき
これまたすぐに近寄ってきてくれたフルコンさんが
彼女の額に手を当てた。
「熱はないみたいやけど…。」
熱はないだろうけれど
明らかに腕の中でグッタリとしている彼女。
どう見ても大丈夫ではなさそうだ。
「あ…もしかしてアレか？」
牛沢さんが言っているのは今回受けた心理診断。
実は事前に説明があったのだ。
どうやら対話をする間に何が起こっているのか
先生がこちらの深層的なものに入り込んでいくようで
刺激が強すぎるため体調を崩す人もいるのだという。
「マコ、収録前から体調悪かったりした？」
「全然…だから私もビックリしてて。」
そりゃあ本人もビックリだよな。
「今、症状は？」
「フワフワする。乗り物酔いしたみたいな…」
「じゃあ、吐き気とかは？」
「そこら辺は…ない。」
問診が終わった所で
「とりあえず楽屋行こう。
目眩が酷いようならこのまま運ぶけど。どうする？」
「…お願いします。」
「じゃあ俺は先生に報告してくる。
もしもがあったら報告してくれ〜って言ってたし。」
フルコンさんは先生の元へ
「冷たい飲み物、一応手に入れてくるわ。」
ゆげぽは自販機の元へと向かった。
「マコの楽屋横になれる場所ある？」
牛沢さんの言うとおり
湯豆腐の楽屋は生憎横になって休める場所がない。
「あるよ…。」
「じゃあそっちにするか。」
彼女を抱えて立ち上がった。
よくある表現だが本当に彼女は軽くて少し心配になった。
「…目瞑っとけ。」
「ん…。」
彼女の楽屋に着き、ソファーへと降ろした。
「これマコが着てたやつだよな。」
ハンガーにかけてあった上着を彼女の上にかけた
ドアがノックされ返事をした。
ゆげぽが片手に飲み物を持ってきて
フルコンさんが先生を連れてきた。
先生はすぐに彼女に近寄ってきた。
彼女はグッと体を起こした。
「少し見させてもらって大丈夫ですか？」
診察が始まった。
「完全に目眩起こしてますね。
マコさん、本当に申し訳ない。」
「いえいえ、こういうの稀なんでしょう？
それがたまたま私だっただけなので
気になさらないでください。
先生のおかげもあって企画も面白くなりましたし、
本当にありがとうございました。」
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作者名：みこと | 作者ホームページ：http://なし)ー
作成日時：2023年10月14日 22時
