降り始める、雨は (ページ4)

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「お前、遠回しにアピールすんな」

舌打ちでもしそうなほどムスッとした顔で砂原の頭を小突いた、薄い茶髪と縁なし眼鏡を特徴のひとつとする上杉(うえすぎ)は数学に長けている。

常に冷静で鋭く、また繊細な彼。

しかし、時に、睫毛の長さで恋に落ちてしまうほど感情的な部分もある。

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「まあ、たまには許してやろうよ。せっかく帰ってこられたんだから」

上杉含む男子数人の不穏な空気を察し、場を和ませた小塚(こづか)。

いかにもなおっとり癒し系であるが、社会と理科、合わせてシャリに関して右に出るものは数少ない。

探偵チームK Zの活動では、彼の分析のお陰で解決に辿り着いた事件が、多くある。

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「もうその計画ってのは、決まってるのか」

「あぁ。さっき資料に目通してきたんだ、来る途中」

先程までの空気を全く気にせず、というより気づかずに砂原に問いかけたのは長髪に菫色の瞳を持つ七鬼(ななき)。

先祖に妖怪と交わったものがおり、その血を引いているため本人も多少力を使えるとのこと。

妖怪の血あってか、どこか妖しげで神秘的な雰囲気を纏っている。

ただ、長年一人で暮らす、いわゆる引きこもりだったため空気を読んだり、様子を察したりということには、疎いのがたまにキズである。

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「どうして、俺たちの所に？」

カッコいいという言葉では表せないほどに美しい顔を持つ彼は、美門(みかど)。

シャープな顎で切り揃えられた髪は言わずもがな、サラサラで口元にはアルカイックスマイルを浮かべる。

美貌の美門にはひとつ秘密があり、嗅覚がとても鋭い。金属までも嗅ぎ分けられるという。

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立花と七鬼、美門は同じ中学校に通っており、特に立花と美門は“心の友”という繋がりを持っている。

砂原もかつて、同級生であったがロンドンへの研修を理由に退学。また、13歳の時に会社を立ち上げ、社長という立場にいるため、元同級生の、羨望の眼差しはさぞかし多かったろう。