言の葉が知っている (ページ9)

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Ⅰ-8 ページ9

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「いいのか！？サンキュ」

その返事を待ってたんじゃないの？、なんて言った折には拗ねてムクれ上がってしまうだろう。

「アーヤに、言うかどうかなんだが。あいつ気になって突っ走りそうじゃん」

それは若武もでしょ。

「心配で泣いちまうかもしんないし」

途端、俺から携帯を奪い取る手が一本。

「そんなに、私はヤワじゃない！私も助けたい」

電話の向こうで間抜け面をしているであろう若武を想像し、クスクス笑う。

「は？おまっ、聞いて？！」

「スピーカーにしてもらったの。全部話は聞かせてもらったから。私を差別しようとしたことも、ね」

こらこら、飛び火が来るじゃないか

「美門！設定してないって言っただろーがっ！てめー、嘘つきやがったな」

「ごめんごめん、耳が当たっちゃったみたいで。結果オーライオーライ」

若武のことだ。どうせ、アーヤにも言うんだからいいじゃんか。

「若武、砂原のことについて詳しく聞きたいんだけど、今度いつ集合かけるの？」

もう既に、やる気満々のアーヤに若武はわざとらしく溜息をつく。

「…黒木が土曜までに情報掴んで来るって言ってたから、土曜の午後。俺ん家に集合で」

2人揃って

「イエッサ」

と返す。

それで機嫌を直したのか、若武は、諸君!!それでは我々の健闘まで体を休めておくように、とだけ言い電話を切った。

本当に気取り屋だし嵐みたいな人だと思うよ。つくづく。