言の葉が知っている (ページ8)

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Ⅰ-7 ページ8

若武は、そんなに打算的でないし、捻くれてない。

きっと1番に言い出すのは若武だ。

「砂原を助けたい」

「砂原が俺らを突き放しても、俺は仲間だと思ってる。探偵チームのメンバーじゃないけど、あいつは俺達を何度も救ってくれた。砂原は俺の誇りであり、俺のライバルだ」

…ふっ、と笑みがこぼれる。

若武らしい理由だ。

自分を信じてる奴しか言えない。

誇りとライバル、そして仲間。

若武の芯ははそこにある。

相手を見定め、認め、自らの糧にする。

自信過剰で、俺様で、目立ちたがりの若武がそれでも人を集めるのにはちゃんと理由がある。
顔や才能が全てじゃない。

人を信用しない者は、誰からも信用されないって、聞いたけど良い例だと思う。

「そっか、」

俺もそんな若武についていく者である以上言うしかないだろ。

「俺も、協力するよ」