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高峯八百屋の二階には、経営者の息子達の部屋が二つ、並んでいる。
その内、高峯翠の部屋は、窓から覗けば商店街が見下ろせる場所だ。
……ベッドが異様に軋む音が、部屋中に鳴り響いている。
机上にあるほったらかしの宿題、ベッドを囲むぬいぐるみ達が屋内で無機質にある。
肝心の翠はベッドに横になり…背の高さ相応しい手のひらが、翠の下半身を弄っているように見えた。
もう片方の手には、Aのパーカーを赤ん坊のように握りしめている。
手汗が滲む。
額から噴き出た汗も垂れ落ち、布団に染みつく。
荒い呼吸をあげる度に、翠の脳内のAは益々乱れた格好に変わっていた。
それがさらに、翠の腕の原動力になる。
「…………ッッ」
やってはいけないことというのは、むしろやってしまいたくなるものなのかもしれない。
翠の年齢的な時期というのも興じる情緒を助け、促進し、やがて、放出させる。
「………はぁ」
＿＿俺は、何をしているんだ。
ぼうっとした頭を立て直そうにも体が言うことを聞いてくれない。脱力した感覚に囚われながら、翠は再びAのパーカーを強く握りしめた。
「おーい、翠」
「うわっ！！！！！！！」
刹那、自分の名前を呼ぶ声が聞こえ、翠は声の方に顔だけ向ける。翠の兄が、自分の様子に顔を顰めていた。
「ノ、ノックしてよ！！！」
「…はー？なんだよ、思春期の女子みたいな事言って…」
翠は兄の視界に映っているであろう黄色い上着を、包まっている布団の中に仕舞い込んだ。
しても遅い。兄の視線から、残悪感と後悔が翠の心を蝕んできた。
手に滲む汗が上着に染みるかなんて気にしてる暇などない。
心臓が痛いほど打ち鳴り、さらに布団を深く被り、ついには身を隠すことに精した。
「母さんが夕飯できたって」
「いらないっ！！食べないっ！！」
「おいおい、まだ身長気にしてんのか？健康に悪いぞ」
「うるさいうるさい！もうほっといてぇーっ！！」
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5674C(プロフ) - たまたまきんきんさん» 嬉しいお言葉恐縮です！ありがとうございます！！ (2022年5月23日 12時) (
レス) id: e6d0696709 (このIDを非表示/違反報告)
たまたまきんきん(プロフ) - やばい、まだ全部読んでないけどやばい、何このときめき、やっば。狂いそう。 (2022年5月18日 14時) (レス) @page27 id: 4c9c318806 (このIDを非表示/違反報告)
5674C(プロフ) - 彩さん» 意識しました！！！！読んでいただきありがとうございます！ (2022年3月21日 0時) (レス) id: e6d0696709 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - なんだかめっちゃ青春！！！ (2022年3月20日 16時) (レス) @page48 id: be844da8b2 (このIDを非表示/違反報告)
5674C(プロフ) - ちゅーしちゃうぞ♡さん» ありがとうございます！！最後まで楽しんでいただけて、とっても幸いです！！^ ^* (2022年1月17日 6時) (レス) id: e6d0696709 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：5674C | 作成日時：2021年12月27日 14時
