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順位ありがとう*おまけ ページ47

ある日の午前。
その日は真冬に相応しい細雪日和だった。

息を吐けば、白く変貌した空気が口の周りに現れる。
私は白く染まった周囲で、新調したブーツを雪原に走らせていた。




「あ!翠!」

「!…あ」



分厚いコートを羽織り、おとしに手を突っ込みながらこちらを振り向いたのは__私の、大好きな人、高峯翠。

私達は今日、付き合って以降初のデートを楽しもうと商店街の門外で待ち合わせをしていた。

そう、決めてきたが…。

私は今朝、最低なことに寝坊をしてしまい、大幅遅刻をやらかした。

遅刻のメッセージを伝えた後急いで準備。
前日から考えていたプランは総崩れで、始まる前から不安が蔓延った。

結局髪型は、いまいち決まらないまま家を飛び出したため走ってる途中で乱りに乱れ。

姿を見つけ目の前に来た瞬間、真っ先に頭を下げた。




「翠、ほんっっとうに、ごめんなさいっ!待ってたよね!?マジでごめんっ!ほんとに!!」

「……いや、別にそんな待ってない。俺も今来たし」




耳も鼻も真っ赤にしながら手をさする翠は、言葉に全く説得力がない。




「…………嘘ばっかし、鼻真っ赤だよ」



ごめん。

指摘された鼻の頭を擦る翠に向かって、そう不貞腐れ気味に言い放った。




「昨日も、つーか最近連日で夜まで部活の練習だったんでしょ?大会近いんだし、今日わざわざAが時間とってくれたんだから」

「……………」

「気にしなくて良いって」



気遣いを見せる翠に申し訳ない気持ちが募る。
その想いをどうにか行動で受け止めたくて、翠の手を取り、家にいた分暖かい両手でがっちりと包み込んだ。

○→←あとがき



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5674C(プロフ) - たまたまきんきんさん» 嬉しいお言葉恐縮です!ありがとうございます!! (2022年5月23日 12時) (レス) id: e6d0696709 (このIDを非表示/違反報告)
たまたまきんきん(プロフ) - やばい、まだ全部読んでないけどやばい、何このときめき、やっば。狂いそう。 (2022年5月18日 14時) (レス) @page27 id: 4c9c318806 (このIDを非表示/違反報告)
5674C(プロフ) - 彩さん» 意識しました!!!!読んでいただきありがとうございます! (2022年3月21日 0時) (レス) id: e6d0696709 (このIDを非表示/違反報告)
- なんだかめっちゃ青春!!! (2022年3月20日 16時) (レス) @page48 id: be844da8b2 (このIDを非表示/違反報告)
5674C(プロフ) - ちゅーしちゃうぞ♡さん» ありがとうございます!!最後まで楽しんでいただけて、とっても幸いです!!^ ^* (2022年1月17日 6時) (レス) id: e6d0696709 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:5674C | 作成日時:2021年12月27日 14時

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