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「【スタフェス】、観にきてもいいよ」
今度はヘマしないから。
そう翠の家に訪れた日の帰り際に、宣言された。
覚悟を決めたような顔に、刹那でかっこいい、と認識した私は、押され気味にうん、と頷いていた。
あの、翠が。自己主張をしない翠が、率先して見にきてもいい、と許可してくれた。
それが嬉しくて、現状、舞い上がってしまっている。
夢ノ咲学院全体で催される【スタフェス】は、アイドル科だけでなく普通科も参加している。
普通科の人達に限らず、市民近所周辺の人達が訪れる大イベントだ。
「A、なんかあんの？」
人混みに流されていく中で私が一人列から離れる様子に、友達がそう問いた。焦るように離れていくのは只事ではないと思ったのだろう。
そんな友達に、私はわくわくを隠さずに、笑って返す。
「うん！用事があってさ！」
今日は帰るね！
と、意気揚々と手を振り、校門を走って抜けた。
初めてだ。翠がステージに立って歌うのを見るのは。
心の高揚が止まらない。
差し入れでも持って行こうかと思い立ち、馴染み深い商店街の土産屋で立ち止まった私は、十個入りの和菓子を購入した。
流星隊のステージは商店街だと聞いている。
向かう直前に購入した土産袋をぶら下げ、黄色い声が沸き立つのを頼りに、走って向かった。
・
『みんなー！応援ありがとうっ！最後はこの曲だ！』
流星隊、出動！
溌剌(はつらつ)で情熱的な声がマイクを通して商店街中に響く。
ステージの上でそう叫ぶのは、赤いサンタ服を着た見覚えのある人だった。
あ…あの人、守沢先輩だ。
守沢先輩がユニット全体をまとめる帆を上げると、他の異色なサンタ服を着た四人が守沢先輩の周りに集まる。
その中に、緑色のサンタ服を着た、高峯翠がいた。
「翠……」
周りの歓声に紛れて呟いたそれは、誰にも聞こえなかったことだろう。
一生懸命に声を張って、体を激しく動かしパフォーマンスする翠の姿は、翠らしさが残っていて微笑ましい。
けれども…普段見れるはずのない翠の表情、ダンス、歌…見ているだけで、雲の上の存在に感じてくる。
幼馴染というより、観客として、応援したくなってくる。
すごいなぁ、アイドルって…。
翠はこれを続けて、頑張ってるだ…。
関心の他のものでもない。
見惚れていた私は自然と、持っていた土産の袋を握る力がぎゅっ、と篭っていた。
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5674C(プロフ) - たまたまきんきんさん» 嬉しいお言葉恐縮です！ありがとうございます！！ (2022年5月23日 12時) (
レス) id: e6d0696709 (このIDを非表示/違反報告)
たまたまきんきん(プロフ) - やばい、まだ全部読んでないけどやばい、何このときめき、やっば。狂いそう。 (2022年5月18日 14時) (レス) @page27 id: 4c9c318806 (このIDを非表示/違反報告)
5674C(プロフ) - 彩さん» 意識しました！！！！読んでいただきありがとうございます！ (2022年3月21日 0時) (レス) id: e6d0696709 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - なんだかめっちゃ青春！！！ (2022年3月20日 16時) (レス) @page48 id: be844da8b2 (このIDを非表示/違反報告)
5674C(プロフ) - ちゅーしちゃうぞ♡さん» ありがとうございます！！最後まで楽しんでいただけて、とっても幸いです！！^ ^* (2022年1月17日 6時) (レス) id: e6d0696709 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：5674C | 作成日時：2021年12月27日 14時
