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甘える子どものような台詞が、小声で耳の中を通る。
例え確認をとったにしても、翠は有無を言わさずに、唇を近づけてくるだろう。

その予感は的中。
翠は私の頸と頬骨を手の平で包み、引き寄せようとしてきた。




「………っま……待って!!!」




手の平から感じる手の質感と体温に擽られ、反射的に胸を押してしまった。

翠はそんな私に、呆けている。
ショックを受けたような表情に罪悪感を感じるも、胸の鼓動が収まらない私は勢いづいて言う。




「A…?」

「ち、ちがっ…!だ、だっていきなりだったから、心の準備が出来てないだけで!」

「……この流れで普通止める?」

「あっ………う、うぅ〜…だってー……」



雰囲気を壊したことを後悔する。
だが、私にだって周囲を気にした恥はある。
それもそうだが…まず人がいないどうこうよりも、こういう居た堪れない雰囲気に流されてキスするのが、少し、嫌だった。

するんだったら、もっと、大事にして欲しい。

………こんな恥ずかしいこと、言えるわけがないけれど。




「………まあ、いいよ、分かった」




翠は不貞腐れながらも、私から身を離した。
ほっ、と息をつくのも数瞬で、翠は私に近づくなり得意気に頬を上げた。




「……まだAから聞いてない言葉があるもんね」

「………え?」




「A…好き」



その瞬間、額に柔らかい人肌の熱を感じる。




「!!!!」



それが唇だと気づいた時には既に、翠の微笑み顔が目の前にあった。

積極的な翠に混乱し、翻弄され、頭が回らない。
死にかけた脳内を一生懸命に働かせ、応えたい気持ちで声を振り絞った。



「……………わ………私も、好き」



恥ずかしさで俯いた私を、翠は優しく抱擁した。

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5674C(プロフ) - たまたまきんきんさん» 嬉しいお言葉恐縮です!ありがとうございます!! (2022年5月23日 12時) (レス) id: e6d0696709 (このIDを非表示/違反報告)
たまたまきんきん(プロフ) - やばい、まだ全部読んでないけどやばい、何このときめき、やっば。狂いそう。 (2022年5月18日 14時) (レス) @page27 id: 4c9c318806 (このIDを非表示/違反報告)
5674C(プロフ) - 彩さん» 意識しました!!!!読んでいただきありがとうございます! (2022年3月21日 0時) (レス) id: e6d0696709 (このIDを非表示/違反報告)
- なんだかめっちゃ青春!!! (2022年3月20日 16時) (レス) @page48 id: be844da8b2 (このIDを非表示/違反報告)
5674C(プロフ) - ちゅーしちゃうぞ♡さん» ありがとうございます!!最後まで楽しんでいただけて、とっても幸いです!!^ ^* (2022年1月17日 6時) (レス) id: e6d0696709 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:5674C | 作成日時:2021年12月27日 14時

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