早とちりする前によく考えてみろ ページ12
“副長!”と声を揃える隊士達。
『その、驚いた拍子に…やっちゃいました。すみません…』
土「相変わらずの馬鹿力だな。」
「おい、総悟。近藤さん運んでやれ。」
沖「へい。」
近藤に肩を貸し、この場を去った沖田。
土「おらよ。」
ポイッと渡された木刀。
『ありがとうございます。』
『じゃあ、私はこれで─────「それと同じもん持ってる奴が一人いる。」』
帰路へ向かっていた足をピタリと止め、振り返る。
土「思い違いかと思ったが…それにしちゃあ似すぎてる。」
生温い風が頬を掠めた。
土「万事屋の坂田銀時…いや、白夜叉と言うべきか。」
「お前、あいつの何だ?」
ピリついた空気。
嫌な予感しかしない。
『知ってどうするんですか?』
土「場合によっちゃあ─────」
“斬る”
彼の目は本気だった。
土「風の噂でこんなことを耳にしたことがある。」
攘夷戦争真っ只中、四天王と呼ばれた四人。
白夜叉“坂田銀時”
狂乱の貴公子“桂小太郎”
鬼兵隊総督“高杉晋助”
声のデカイ人“坂本辰馬”
そして、嘘か誠か彼らの隣には女がいたという。
女の名は─────────────“紅夜叉”
美しい白髪を血で赤く染め上げる、残酷で恐ろしい圧倒的強者。
白夜叉と様相が似ていることから、兄妹ではないかと言われていた。
しかし、女は忽然と姿を消す。
目撃情報の少なさやその期間の短さから歴史上に語り継がれることなく女の存在は無きものとなった。
『そんな噂を鬼の副長が信じるんですか?』
土「信じちゃいねぇよ。しかしまぁ、お前の様相を見たからには信じる他ねぇかもな。」
正直な話、彼の言っている噂は真実だ。
彼が殺気立っているのもわかる。
今は無き高杉晋助、未だ攘夷志士の桂小太郎とかつて共にしていたとなると警戒するのも無理ない。
『仮に私がその紅夜叉だったとして、貴方に斬られる義理はありません。』
土「何?」
『現に今、紅夜叉が攘夷志士とは限らないからです。』
土「まぁ、それは───────」
“取っ捕まえてからじっくり聞こうじゃねぇか”
そう言って、刀を抜いた彼。
『ちょ…!話をッ!』
土「お縄につきやがれ!!」
この人こんなに話の通じない人だっけ?!
と、冷や汗を流しつつひたすら防御を行う。
土「総悟!今だ!!」
『なッ?!』
隠れていたであろう沖田は女の背後を取った。
沖「悪ィな。」
もう駄目だと悟ったその時──────
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Mugino(プロフ) - 壊さん» 壊さんコメントありがとうございます!!今日明日中には更新できると思います🔥💪お褒めの言葉とっても嬉しいです🥺ありがとうございます😭✨️ (10月19日 13時) (レス) id: 8563ed1f80 (このIDを非表示/違反報告)
壊(プロフ) - あの、続き書いてくれませんか?とても面白くて、続きが読みたいです! (10月19日 3時) (レス) @page9 id: 701fbdee56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mugino | 作成日時:2023年10月10日 17時