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7話 ページ8





昨日と同じような夜の街を再び黒い車で走る。
景色はそんなに変わらないのに、やはり窓の外をぼーっと見てしまう。
昔から外の景色を見ることが好きだったけど、熱中しすぎて魂が家出してしまうこともあってよく怒られていた気がする。
どうしてこう、どうでもいい事は覚えているんだろう。大事な記憶は全く思い出せないのに。


「ジン、未成年がいるんだから煙草控えたら?」

「え……、」

「俺が知った事じゃねぇな……」


ふん、と鼻を鳴らしてカチッと煙草に火をつけた銀髪の人。その様子を見て、呆れたように美人さんは車の窓を開けた。
それより今、はっきり聞こえた。美人さんが彼の事を『ジン』と呼んだ。
もしかして、この人……


「あの、ジン……さん、って言うんですか……?」

「……あぁ、」

「あら、なぁに?もしかして自己紹介もしてなかったの?」

「……だったら何だ。」


美人さんにそう言われて今気付いた。
そういえば、私この人と出会ってから1日経ってるけど名前も知らなかったんだ。思い返してみると、彼の事をあの人とか銀髪の人とかで呼んでたみたいだ。失礼すぎるぞ私。

なんて心の中で迷走していると、美人さんがこれを機に自己紹介をしてくれた。
改めて、彼の名はジンさん。そして運転席の人は唯一私が名前を知っていたウォッカさん。最後の美人さんはベルモットさんと言うらしい。


「それで?迷子の子猫ちゃんのお名前は?」

「あ、……白波A、です。」


私も改めて自己紹介をしてぺこりと頭を下げた。何だかんだあったけど、この人達には色々お世話になってるなぁ。
なんて思っていると、キィッと急に車が止まった。予想外の急ブレーキに「わっ」と運転席の背中にべしゃっと手を着く。びっくりしたぁ。

すいやせん兄貴、と謝るウォッカさんを不思議に思って見てみると、どうやら猫が道路の真ん中でくつろいでいたようだ。


「まぁ、いいじゃない。目的地はすぐそこだからここから歩きましょ。ジン、彼女を連れてきて。」

「兄貴、俺はここで待っときやす。」


チッ、と舌打ちが聞こえてくれば、腕を掴まれて驚く暇もなくそのまま車から引きずり出された。「乱暴ね。」と言うベルモットさんの言葉を無視して相変わらずジンさんは煙草を蒸している。車が端に寄ったのを横目に、行きましょ、と歩くベルモットさんを追う。


「……あの、何処に……」

「んー、そうね、簡単に言えば……






────ジンと貴方の愛の巣、かしら。」

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高原(プロフ) - 海鼎さん» うわぁー!再びコメントありがとうございます!頑張ります! (2018年1月27日 21時) (レス) id: 07676443a0 (このIDを非表示/違反報告)
海鼎 - イラストがうますぎて泣きそうです...!更新頑張ってください! (2018年1月27日 20時) (レス) id: 489d0b19f8 (このIDを非表示/違反報告)
高原(プロフ) - 馨さん» そうなのです……イラストは私が描かせて頂きました!そう言って貰えて光栄です!頑張ります! (2018年1月12日 8時) (レス) id: 07676443a0 (このIDを非表示/違反報告)
- イラストは作者様が描かれたのでしょうか...?!!? とってもお上手で設定のページで数分ほど硬直しました.....あの絵だけで30分は語れる自信が...(( 、お話も大好きです!!! トリップモノの中でも着目できるくらい...!!!(?) (2018年1月11日 20時) (レス) id: e10e5449fb (このIDを非表示/違反報告)
海鼎 - フサァ....(髪の毛が飛んでいく音) (2018年1月4日 22時) (レス) id: ecba555ceb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:高原 | 作成日時:2017年12月25日 1時

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